現場。 ページ4
真夜中。空港に乗って辺りを見渡す。
「 るい おる？ 」
『 おらん、もう一個前か後か..しゃあないわ、出待ちして後つけるしかないやろ 』
東京は空港の便が多いから嫌いや。るいと会う機会も減るし。そもそも今日の席あんまよくないねん、行くけど。
「 ..まって、せんら 」
「 あれ、きなちゃんちゃう？ 」
『 ..シャッター音切って、と..ふふ、またフォルダ増えた。 』
見かけても、騒がない。ばれたらおしまいだから。きなちゃんがいるならるいもいるかな。ライブ前のるい、かわいいんやけどな。
「 ..となり、るい..？ 」
『 やない？ええチャンスやん、さかた写真撮っとき、 』
慌ててスマホを向けて、彼女を撮る。オフの時は視線が蕩けていて、とっても好きなんだ。
『 お互いミッション達成やね。あとはライブや、頑張ろな 』
「 当たり前やろ..今回のためにキンブレシート凝ってきたし、 」
ペンライトは4本。今日はセンステだからファンサは難しいとは思うが、期待はしたい。
「 ..それに、センステ横、あほほどレート高かったもん。 」
『 あはは、せやなぁ。5000円のチケがなんで10倍になるんや！って感じやったもんなぁ、 』
「 近くにいれるに越したことはないけどな。金なんてるい以外で俺使わんし。 」
そう、全部るいのため。犯罪を犯すのも、全部全部るいのためなんだ。
『 やっぱ俺、さかたと連番でよかったわ。 』
「 当たり前やろ？普段の感謝として俺とるいのLINEトーク捏造して。 」
『 も〜、また掲示板晒されるで..？分かった、あとでコラ画作るわ.. 』
現場で干されたって、コメ読みされなくたって、僕はずっと好きやもん。なぁ、るい？
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作者名：名無し@坂田さんの嫁 | 作成日時：2021年9月13日 16時
