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「ん、ソラ？起きたの？」
「うん……あるく」
「歩けるの？」
「うん……」
ドアの前のとこでソラを降ろして「大丈夫？」ともう一度聞くと何度か頷くから、あまり聞きすぎるのもよくないと思って分かったと言えば、ソラは目を擦りながら歩き出した。
他のメンバーは先を歩いていて、ソラの歩くスピードに合わせて歩いていたんだけど、あまりにもよたよたとフラフラしながら歩くから、最後に「おんぶしようか？」なんて聞けば首を横に振るからそれならとソラの手を取って、危なくないようにと繋いだのだった。
兄弟がいるわけじゃないし、よく分からないけど妹みたいでかわいいなと思った。いつもはおれたちに混ざって、おれたちと変わらない練習量を熟して、この子のどこにそんな体力があるんだと思っていたけど、自分とは違う歩幅に、握った手の大きさに、やっぱり男女の差を感じて相当努力していたんだろうなとなんだか泣きそうになった。
「ははは、ソラ赤ちゃんみたいだね」
「子どもみたいだよね」
「そんなことないもん……」
「あれ、聞こえてたの？」
おれの手をしっかり握ってスンミニとの会話に否定するソラが、どうしようもなくかわいくて「そうだねえ」と少し顔を覗いて言うとちょっとだけ怒っていた。かわいい。
ソラの意識がはっきりしたら言わないとと思った。難しいけど適度に休まないとって、無理しちゃダメだよと言ってあげないと。
「ヤ！ヒョンジナ！」
ピンポン、とホテルのチャイムがなって誰かと思ったら少し怒ったようなソラがいて出迎えた。
インスタライブでソラの話をしたからなのか、ああ言って入ってきたソラに「ミアネソラヤ〜」とちょっと甘えて謝ると少し狼狽えていて。最近どういうことか、少しツン気味だったソラがおれをかわいがってくるから、こういう声に弱いことを覚えたのだ。
「どうして勝手に話すの、恥ずかしいのに」
「それ言いに来たの？インスタライブ見てた？」
「ステイが教えてくれたの！エギとか子どもっぽいとかいっぱい送られてきてて……今年は大人っぽくいきたいのに！」
「そんなこと思ってたの？きようぉ〜昔は大人っぽかったよ？」
そう、昔は大人っぽかったのだ。あの時のことを思い出してもソラは少し大人に見えていたのに、今では本当に赤ちゃん見たいでかわいらしい。
でもチャニヒョンは昔からソラのことを赤ちゃんだって言ってたから、長年一緒にいるとそう見えてくるのかな、なんて。
「お菓子あるよ、食べる？」
「食べる……あ、話そらないでよ〜……」
「うんうん、ミアネ〜」
5-STAR Dome Tour 2023 in Tokyo Day1→←妹みたいな
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作者名：さくらんぼ
| 作成日時：2023年10月21日 10時
