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「髪を染めました」
「あ〜！きようぉ〜……私たちに報告しに来たの？」
私の頬を摘んではすりすりとなでるナヨンオンニに、よくやられているイエニの気持ちが何となくわかった気がする。けど嫌というわけじゃなくて小っ恥ずかしいというか、落ち着かないというか、昔はオンニにこうされてもなんとも思わなかったのに大人になったということなのかな、なんて。
「あ、じゃあ……」
「あのね、ミナちゃんたちに、お礼を言いたくてきたの」
韓国語じゃなくて日本語で言ったからミサモのオンニたち以外はクエスチョンマークを浮かべていて、ちょっとだけ申し訳なくなる。
耳にかけていた髪をくずして整えてから、じゃんっとオンニたちに見せると「おー！」なんていっせいに言われて勢いに驚いた。メンバーたちの大きな声に驚くこともあるけれど、なんというか全体的に音が高くてきゅっとなる。
「かわいい〜！似合ってるやん〜！」
「まだ誰にも見せてないの？」
「うん、オンニたちが最初」
「あの子たちより先なの？かわいい……あ、本当に似合うんだけど？」
写真撮ってあげる、なんてチェヨンオンニが言ってされるがまま写真を撮られた。
かわいい、とべた褒めしてくれるオンニたちに大袈裟だなぁと思ったけれどそれはそれで嬉しい。こんなにかわいいオンニたちからかわいいと言ってもらえるのだから、嬉しくないわけがない。
「日本でオンニたちに相談して良かったです、この後怒られるかもしれないけど……」
「怒られたら逃げてきな！まだここにいるから！」
「オンニたちがやればいいって言ったから怒るならオンニたちに言って、って言いな！」
「ソラヤ、頼もしい味方いっぱい着けたね？」
時計見ると時間が結構迫っていてオンニたちに見送られながら練習室を出た。みんながいるところまで数メートル。緊張してきた。
同じ宿舎のリノオッパたちには美容院に行ってくると伝えてあるから、それは大丈夫だろうけど……なんて言われるかな、スキジキたち、まだいなきゃいいんだけど、きっとこの時間ならもう来ている。
ドアノブに手をかけて、ゆっくりと回したら私がドアを開ける前に内側からドアが開いてコツンと頭にぶつかった。思わず「いたっ……」と声に出すと慌てたようなヒョンジニの「すみません！」なんて声が聞こえて、そのあとすぐに目が合った。
「……ソラ！？」
「……っ、いたい！」
「わ〜っ、ごめんごめん！」
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作者名：さくらんぼ
| 作成日時：2023年10月21日 10時
