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「……本当にいいのね?」
「はい!バッサリ行ってください!」
年も明け、韓国に戻ってきた私は一人で美容院に来ていた。途中までマネージャーのオンニに送ってもらったけど、染めるから時間がかかると言えば一人にさせてくれた。
しばらくは金髪のままでもいいかと思ったんだけど、ここ逃すと美容院に行く時間が、それこそ大事な撮影前とかになってしまうから茶色を入れてもらうことにした。私の横の髪を梳くって「本当に切るからね?」といつもお世話になっている美容師さんに確認されてお願いします、と答えた。
ばさり、と結構の長さの髪の束が落ちて足元に広がる。前髪も少し重めにしてもらって、ぱっつんとまではいかないけど、それなりに真っ直ぐにしてもらった。そのままカラーもしてもらって、整えてもらう。
「あいご、凄くかわいいんだけど……よく似合ってる、本当にかわいい」
美容師さんが二面鏡で後ろ部分を見せてくれながら、目の前の鏡越しに何度も褒めてくれて少し恥ずかしい。
でも、我ながらかわいいと思う。メンバーたちから_主にリクスやチャニオッパ、ヒョンジニ_かわいいだなんだって言われてきて、流石に言い過ぎだろうな、とかメンバーバカになってるだけなんだろうな、と思ってはいたけどちょっと、かわいいかも。
美容師さんにお礼を言って、オンニに気づかれないように横の触覚は耳にかけておく。茶髪になった私を見て似合ってるね、と言ったオンニにありがとうございます、なんてちょっとニヤつきながら言ってしまった。
「あ、今日ってTWICEのオンニたちって練習室いますか?」
「どうだったかな……行ってみないとわかんないよ」
やっぱり、背中を押してくれたのはミサモのお姉さんたちだから一番に見せに行かないと。いなかったら、メンバーたちに見せるよりも先に写真を送っておこうと思う。
会社について、練習室の使用状況を見ると一番端の練習室にTWICEと書いてあって、マネージャーのオンニにまだ時間があるからと言ってオンニたちのところへ向かった。
音楽も何も鳴っておらず、楽しそうな話し声が聞こえるからコンコン、とドアをノックするとひょこっとダヒョンオンニが顔を覗かせたのだった。
「ソラだ!」
「わ、オンニっ……」
ぎゅうっと抱きつかれて、体制を崩しそうになったのを何とか踏ん張って耐えた。ヒョンジニからぐいぐいのしかかられて鍛えていた足腰がようやくここで発揮してなんだかなぁ、という気持ちだった。
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作者名:さくらんぼ | 作成日時:2023年10月21日 10時