ページ ページ4
.
「ヤ、キムソラ！」
会社から出て、少し歩いたくらい。一人も寂しくて宿舎にいるまだ起きてそうなメンバーに電話をかけようかなあ、なんて思っていた時。
後ろから突然そう名前を叫ばれて振り返った時、ペットボトルの水をかけられたのだった。
見事に綺麗に頭から水を被って、ぽたぽたと垂れる水滴を見て一生懸命頭で何があったのか理解しようとするけど全くできなくて。
「皆と仲良くしないで！アンタがいるから、アンタのせいでスキズは伸びないの！」
こんなことされるの初めてでただ呆然としていたら肩をがしっと掴まれて「消えて」だとか「いなくなって」だとか言われていて、それをどこか他人事のように聞いていた。
こういうこと言われるのはもう慣れてたというか、サバイバル番組が始まった頃からずっと言われてたし、もう気にした方が負けというか。でも文字で言われるより言葉で直接言われる方が結構刺さってしまって。
こういう時の対処ってどうしたらいいんだっけ、なんて思っていたら今度は肩から感覚が無くなったと思えば、その手を振り上げていて、もうダメかもしれないと目をぎゅっと瞑った時だった。
来るはずの頬の痛みはなくて、ゆっくりと目を開ければ目の前に、私を庇うようにして手を押さえつけて、チャニオッパが立っていたのだった。
「それ以上、ソラに何かするならSTAYだろうが俺が許さないよ」
チャニオッパがそう言ったからなのか何故か私よりも先に突っかかってきた彼女の方が泣いていて、そのまま踵を返していった。
その後直ぐに私のほうに振り返って「ごめんね」なんて言って、ハンカチで顔とか服とか拭いてくれて。
「大丈夫、じゃないよね。怖かったでしょ、いくら女の人とはいえあんな……」
「オッパこそ、まだ作業するって言ってたのに……」
「いや、そのつもりだったんだよ。でもヒョンに送ってもらいなって言ったはずなのに、あの後部屋にヒョンが来たから急いで切り上げて来たんだ。もっと早くに気づいてあげられなくてごめんね」
そう、私に謝ったあと「寒いでしょ」なんて言って私の濡れたコートを脱がしてオッパが手に持っていた大きめのコートを着せてくれた。
あまりにもオッパが申し訳なさそうにするから「本当に大丈夫です」なんて言えばさっきまで困り顔をしていたオッパが急に眉間に皺を寄せてはぁ、なんてため息をついたのだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 903人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さくらんぼ(プロフ) - にこさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて嬉しいです🤦♀️頑張ります💪🏻 ̖́- (2022年10月23日 19時) (
レス) id: 208005c528 (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - 更新お疲れ様です！とっても面白くて1から一気読みさせて頂きました！これからも更新頑張ってください。応援してます！！ (2022年10月23日 5時) (レス) id: d0206497b3 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - ゆーさん» コメントありがとうございます🙌そう言っていただけて嬉しです🤦♀️応援ありがとうございます！頑張ります！ (2022年9月27日 23時) (レス) id: 208005c528 (このIDを非表示/違反報告)
ゆー(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてますー！ソラちゃんとメンバーの絡みが可愛いです😍ご自身のペースで頑張ってください！！ (2022年9月26日 21時) (レス) id: ff96477080 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - 絢都さん» 本当にすみません🙇♀️💦更新までお待ちください〜🙌 (2022年9月19日 16時) (レス) id: 208005c528 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さくらんぼ
| 作成日時：2022年8月19日 17時
