雷 ページ11
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「雨、やばー……」
「この後雷も鳴るらしいよ」
「へー、そんなに」
宿舎にて、オフだけど外は雨降っていて何もできない、なんてことでリビングに集まってくる人が多く半分くらいの人が今同じ場所にいて。
誰かに拾ってもらうつもりじゃなかったその言葉もチャンビニヒョンに拾われて、会話になったのだった。
「ヌナの手冷たくない?」
「イエナ、手が冷たい方が心が暖かいっていうんだよ」
「ふーん?でもヌナは関係ないねー、だっていつも優しいじゃん」
「このっ……かわいいやつめっ……」
「ちょっと、髪やめてよ〜……」
なんて、ずっとかわいいやり取りをしてるマンネズを見ていれば「ヒョンジニヒョンも混ざりたいみたい」なんてイエニに言われて「混ぜてくれるの?」なんてその気でその場に向かったら。
結局「今は僕がヌナと話してるからダメ!」なんて言われてしまって、L字ソファの離れたところに座ってずっと二人のやり取りを見ていることにしたのだった。
「お前たちほんとにかわいいね」
「私たちかわいいって、こまうぉ〜」
こっちには目もくれず一緒に見だしたイエニのスマホに目を向けながらそう言ってくるし、イエニにいたっては「ん〜クレクレ」なんて言ってくるし。
まぁそういうところもかわいいよな〜、なんて思っていた時だった。
ピカっと窓の外が光ってさっきヒョンが言ってたな、と思った瞬間にかなり大きな音で雷が落ちたのだった。
「うわ〜、今の絶対近くじゃん」
「音大きかったね」
「今日オフでよかった〜」
「……ヌナ?」
ね、なんて共感してもらおうと思ったらそんなイエニの声が聞こえてきてソラの方を向いてみればぎゅっとイエニの腕を掴んでいて。
心なしか若干震えてるようにも見えてきて、まさか……と思えば。
「もしかして……ヌナ、雷苦手なの?」
「…………」
「正直にいいなよ、誰もからかわないよ」
だんまりをきめるソラに笑いながら言ったそばから今度はさっきよりも大きい音で雷がなって。
反射的に窓を見たあとソラの方を見ればイエニの腕を掴んでいることには変わりなかったけど、ぎゅっとそばまで近寄っていたのだった。
「……ちょっと、こわい、かも」
そう言ったソラは滅多に浮かべない涙まで大きな目からこぼれ落ちそうになっていて、そんな姿に気づいたイエニも、俺も、近くにいたチャンビニヒョンも途端に慌てだしたのだった。
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さくらんぼ(プロフ) - にこさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けて嬉しいです🤦♀️頑張ります💪🏻 ̖́- (2022年10月23日 19時) (レス) id: 208005c528 (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - 更新お疲れ様です!とっても面白くて1から一気読みさせて頂きました!これからも更新頑張ってください。応援してます!! (2022年10月23日 5時) (レス) id: d0206497b3 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - ゆーさん» コメントありがとうございます🙌そう言っていただけて嬉しです🤦♀️応援ありがとうございます!頑張ります! (2022年9月27日 23時) (レス) id: 208005c528 (このIDを非表示/違反報告)
ゆー(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてますー!ソラちゃんとメンバーの絡みが可愛いです😍ご自身のペースで頑張ってください!! (2022年9月26日 21時) (レス) id: ff96477080 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - 絢都さん» 本当にすみません🙇♀️💦更新までお待ちください〜🙌 (2022年9月19日 16時) (レス) id: 208005c528 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくらんぼ | 作成日時:2022年8月19日 17時