世界はとまる２【ヒロアカ】 (ページ46)

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『明日は1日録画見て反省会するかな』

家の近くの公園のベンチに座り、アイスを食べる

空はいつのまにか夕焼け空だ

『こっちにもブラックモンブランあれば良いのに…』

地元の定番アイスを恋しく思っていると

後ろから肩を掴まれた

目線をずらし確認すれば、黒い靄が見えた

『…何か、見たことあるような…』

「はい。お会いした事ありますよ」

聞いたことのある声の男は隣に座る

「こんばんわ、動留A。私を覚えていませんか？」

『…え？…あの、黒霧………さん……？』

黒「覚えて頂き光栄です」

『だって、襲って来た敵ですもん。…逃げて良いですか？』

黒「そうですよね。でも、逃げないで下さい。逃げても無駄ですけど」

逃げてもワープされ連れ戻されると考え、少し浮かした腰を元に戻した

『……何かご用ですか？拉致るのはやめて下さい』

黒「ええ、しませんよ。ただ見かけたので声を掛けました」

何言ってんだと思い思わず黒霧の方を見た

『…スーパーで見かけました？』

敵襲の時とは少し雰囲気の違う黒霧

彼の隣にある買い物袋はAと同じものだった

黒「えぇ、夕食に悩んでいたところで貴女を見掛けまして」

『…良く来るんですか？』

黒「いいえ、たまにしかあのスーパーには行きません。今日は特売日でしたからね。因みにメニューも同じにさせて貰いました」

『え、カレーですか？』

黒「えぇ、これで明日は考えなくて済みます」

『…色々と大変ですね』

黒「…あの、アイス溶けてますよ」

緊張と親近感でアイスの存在を忘れていた

『うっわ……最悪やん』

溶けなくなったアイスとベタベタになったズボンに一気にテンションが下がった

黒「これ使って下さい。…それと、少しここでお待ち頂いても宜しいですか？」

『…え、良いんですか？…ありがとうございます…拭きながら待っときます』

お母さんのような黒霧から貰ったハンカチで拭きながら何処かへ姿を消した彼を待つ

同じ材料が入った袋が風に揺られる

…何したんだ私…

少し落ち着き、空を見上げた

…でも、初めから悪い人なんてそうおらんよね。悪いって決めてんのは世間だし…きっとあいつも……