世界はとまる6 (ページ38)

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死「…は？……」

動揺する死柄木からAは目を逸さなかった

死「な、何言ってんだよ」

『治崎に復讐してくれた。嬉しくなった………嫌かもしれんけど、弔は私のヒーローなんよね』

死「…！！」

『だから、そのヒーローに…もう1回…助けてもらいたい…この世の中から…助けて欲しい』

死「…喜んでくれたのは俺も嬉しいけど…それは駄目だ。俺と世の中ぶっ壊すのじゃ、駄目なのか？」

死柄木は少し動揺しながらも、Aの目を見て伝えた

『………殺してくれんの？』

死「…っ……Aが死んだら俺が辛くなるだろ。側に居てくれよ」

『…っ…』

Aの赤い瞳に涙が溜まる

死「な？頼むよ」

死柄木はAを抱きしめようとする

死「…！」

だが、体の動きが＂止まった＂

『……私…ヒーローになる』

死「何でだよッ！！」

Aは死柄木の頬に手を触れる

『世の中壊すんよね？……なら、ヒーローになったらさ、弔…殺してくれるよね？』

死「…そんな事…言うな」

悔しい顔をする死柄木とは反対に生き生きとし始めるA

『弔に殺して貰う…。その為に自分はヒーローになる』

死「…っ…！！」

動けない死柄木の頬に唇を落とした

死「なッ…！」

『ありがとう』

一粒の涙を流し、Aはその場を立ち去った

光の方へ行ったAの姿が見えなくなった瞬間

フッ

死「…くそっ」

体が動くようになった死柄木だが、悔しさから立ち上がれなかった

「フラれたな」

死「違う。フラれてない」

「でも行っちまったぜ？」

死「黙れ荼毘」

近くで一連を見ていた荼毘は少し面白そうに笑う

荼「俺が殺して…」

死「その前にお前を殺す」

首を掻き眼を光らせた死柄木

荼毘はその殺気に一瞬硬直した

荼「……チっ」

荼毘は小さく舌打ちし、その場を後にした

死「…分かった……俺も…Aを殺せるように…強くなってやる」

死柄木は自身の両手を見る

死「…その時はもう拒まないでくれよ…」

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