EP53 ページ8
彼の影からひょこっとかわいらしく顔を出したのは、さっき貴利名に告白していた人。
学年章が黄色いから、上級生だろうか。
やっぱり何度見ても綺麗な人だ。
「何か用？」
「あ、いえ…」
付き合ってる、のかな。
じゃないと、こんな時間に2人でいないよね。
そう考えると急に口が動かなくなり、目頭が熱くなった。
「用がないなら帰るけど。ね、氷浦くん」
彼女は親しげに腕を組み、幸せそうに笑っている。
やめて、そんなところ見せつけないで…
私の中に嫉妬というどす黒い感情が生まれ、どんどん膨らんでゆく。
「…嶋田さん、ちょっと時間ください」
「え？」
「今日はちゃんと一緒に帰るので」
少し鬱陶しそうに、勝手に絡む腕を解いて私の前に立つ。
俯いた顔を上げると、彼は眉を下げて優しく微笑んでいた。
「寒かっただろ？メールくれればよかったのに…って、前も言ったな」
「あ…ごめん、なさい…」
北風に晒されて冷たくなった私の頬を、彼の暖かい手が覆う。
言いたいことが次々と浮かんでくる。
「あの、あのね、これ…ごめんなさい。私、さっき気づいて…」
「あぁ…これか。きっと気づいてないだろうなって思ってたんだ。気にしてないよ」
「それから、さっき逃げるようなことして…」
「うん、いいよ」
私が言うことすべてを、彼は受け止めてくれた。
ああ、どうして彼はこんなに優しいのだろう。
自分の中に閉じ込めておこうと思っていた気持ちさえ、すべて打ち明けてしまいそうだった。
「ねーぇ、まだー？」
「…ごめん、今日はもう遅いし帰ろう」
「…うん」
少し遠くで見ていた彼女がしびれを切らし、私たちの会話を遮った。
2人が歩き出すのを見送ろうとした時、あ、と貴利名が声をあげた。
「A」
「なに？」
「風丸さんと仲良くな」
頭を何かで打ち付けられたような気分だった。
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さきこ(プロフ) - カミカさん» ありがとうございます！がんばります〜(*´-`) (2018年11月25日 19時) (
レス) id: b0083ad673 (このIDを非表示/違反報告)
カミカ - これからも続けれるように頑張ってください！楽しみにしてます！ (2018年11月25日 16時) (レス) id: b42da9a3fb (このIDを非表示/違反報告)
さきこ(プロフ) - 星水さん» わあああありがとうございます！！すごく励みになります…(*´-`)がんばります！！ (2018年11月6日 23時) (レス) id: b0083ad673 (このIDを非表示/違反報告)
星水 - 続編おめでとうございます！前作からずっと影ながら応援してました、、！ とても面白いです！国木田ちゃんと氷浦くんが仲直りできますように、、！更新頑張ってください！ (2018年11月6日 20時) (レス) id: 3c634cce7d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきこ | 作成日時：2018年11月1日 20時
