EP81 ページ37
“好きだよ”
ずっと聞きたかった言葉。
夢じゃない、彼は私のために言っている。
「よかったら…俺と、付き合ってください」
握られた手は震えている。
私が震えているのか、彼が震えているのかはわからない。
そんなことはどうでもよかった。
「よろしく、お願いします」
ただそれだけを伝えたくて。
嬉しくて、幸せで、視界がぼやける。
歪んだ世界の彼は、笑っていた。
「はぁー…緊張した…」
私の手を握ったまま、貴利名は力なく近くの席に座り、そのまま机に突っ伏した。
私もつられて一つ前の席に座る。
彼の腕の間から幸せそうな笑顔が見えて、心がきゅっと苦しくなった。
「昨日の今日でこんなこと言ってごめんな」
「ううん、うれしい…私も、ずっと好きだったから」
もちろん昨日のことは忘れたくても忘れられないくらい怖かった。
いつか貴利名と…そういうことをする時が来たとしても、私は彼に全てを委ねることができるだろうか。
昨日のことを思い出して先に進めないかもしれない。
でも、それでも、彼と一緒なら…
「長かったなぁ、ここまで」
「ねぇ、私のどこが好きなの？」
今まで散々迷惑かけてきて、少なくとも貴利名に好かれるようなことはできてなかったと思う。
だから純粋に気になった。
「は、恥ずかしいこと聞くな…」
ぽりぽりと頬をかいて、耳を赤くした。
なんか、聞いた私も恥ずかしくなってきた…
「そうだな…危なっかしくて放って置けないところとか、笑うと目尻にシワが寄るところ…とか…」
「え、そうなの！？」
「そういうところ全部含めて…好きだなって」
貴利名の口から発せられる言葉全てが、私の心を動かす。
私ってそんなに危なっかしいのかな？
目尻のシワなんて、気にしたことなかった…
「恥ずかし…」
「…A」
名前を呼ばれて反射的に彼の方を見ると、海のように深い紫の瞳が私を映す。
気付いた時には、私の唇と彼の唇が重なっていた。
刹那、大きな花火が夜空に輝いた。
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さきこ(プロフ) - カミカさん» ありがとうございます！がんばります〜(*´-`) (2018年11月25日 19時) (
レス) id: b0083ad673 (このIDを非表示/違反報告)
カミカ - これからも続けれるように頑張ってください！楽しみにしてます！ (2018年11月25日 16時) (レス) id: b42da9a3fb (このIDを非表示/違反報告)
さきこ(プロフ) - 星水さん» わあああありがとうございます！！すごく励みになります…(*´-`)がんばります！！ (2018年11月6日 23時) (レス) id: b0083ad673 (このIDを非表示/違反報告)
星水 - 続編おめでとうございます！前作からずっと影ながら応援してました、、！ とても面白いです！国木田ちゃんと氷浦くんが仲直りできますように、、！更新頑張ってください！ (2018年11月6日 20時) (レス) id: 3c634cce7d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきこ | 作成日時：2018年11月1日 20時
