EP80 ページ36
「はぁ、はぁ…」
誰もいない、真っ暗な校舎内。
この時期になると午後5時を過ぎればもうあたりは夜のように暗くなる。
私は後夜祭をこっそり抜け出し、教室へ急いだ。
貴利名、もう来てるかな？
スマートフォンの電源は切ったし、邪魔はされない…はず。
さっきから飛び出そうなくらいうるさく鳴る心臓をぎゅっと抑えて、教室のドアを開けた。
「…A」
「ご、ごめんね！遅くなって」
グラウンドで行われているキャンプファイヤーの灯りが教室まで差し込み、ぼんやりと明るい。
真下からはすっかりお祭り気分の生徒たちの声が響く。
「花火、一緒に見れたらなって思ったんだ」
そのためだけに、わざわざ人の来ない教室に誘ってくれたんだ…
君は特別だよって言ってもらえてるみたいで、素直に嬉しい。
そんなこと考えてる場合じゃないと、私は深呼吸をした。
今日はどうしても聞きたいことがあったから。
「あの、貴利名」
「ん？」
「あのね、変なこと聞くね。…私、貴利名にとって迷惑じゃない？」
恐る恐る伏せていた目を隣の貴利名に向けると、きょとんとした顔をしてふわっと笑った。
「まだそんなこと気にしてたのか？」
「だ、だって…！」
彼が私の手を握る。
少し冷たい夜風なんか気にならないくらい、体が熱くなる。
じっと私を見つめる夜のような美しい瞳に吸い込まれるように、私も彼を見つめた。
「迷惑なんかじゃない。むしろ全然Aのこと助けられなくてもどかしいくらいだ」
握る手にぎゅっと力が入る。
そんなことないと首を横に振ると、彼は困ったように眉を下げた。
「A、俺…もう気付いてるかもしれないけどさ」
もう、生徒の声なんか気にならなかった。
彼の声だけが私の中で反響する。
「俺、Aのこと好きだよ」
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さきこ(プロフ) - カミカさん» ありがとうございます！がんばります〜(*´-`) (2018年11月25日 19時) (
レス) id: b0083ad673 (このIDを非表示/違反報告)
カミカ - これからも続けれるように頑張ってください！楽しみにしてます！ (2018年11月25日 16時) (レス) id: b42da9a3fb (このIDを非表示/違反報告)
さきこ(プロフ) - 星水さん» わあああありがとうございます！！すごく励みになります…(*´-`)がんばります！！ (2018年11月6日 23時) (レス) id: b0083ad673 (このIDを非表示/違反報告)
星水 - 続編おめでとうございます！前作からずっと影ながら応援してました、、！ とても面白いです！国木田ちゃんと氷浦くんが仲直りできますように、、！更新頑張ってください！ (2018年11月6日 20時) (レス) id: 3c634cce7d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきこ | 作成日時：2018年11月1日 20時
