EP74 ページ30
信じられない、信じたくない。
鈴香さん、そんなことしてたの…？
「どこから、聞いていたの…」
「え、と…お金が全てを解決してくれるってあたりから…」
鈴香さんの唇は震えていた。
私にはどうしても知られたくなかったんだろう。
じっと私を見つめて微動だにしないまま、鬼道さんが口を開いた。
「国木田、こいつはお前のためにしたと言っていた。お前を家庭から解放するためだと」
「そんな…！私、今の暮らしが幸せです。国木田家に引き取ってもらえて、本当に良かったって思ってます」
「そう、なの…？あなたは、幸せに生きているの…？」
ぽろぽろと涙を流す鈴香さんは、弱々しく私の肩を掴んだ。
風丸先輩が切ない顔でこちらを見る。
「はい！自慢のお父さんとお母さんです」
私がとびきりの笑顔でそう言うと、鈴香さんは子どものように鳴き声をあげながら膝から崩れ落ちた。
今まできっと、こうやって泣けることもなかったんだろうな。
風丸先輩がそっと鈴香さんの肩を抱く。
「…すまん、東雲」
「鈴香さん……お姉ちゃん。もう、そんなことやめよう？稼いだお金はどうするのか自分で決めるべきだけど…私たちがちゃんと独立できるようになったら、そのときは一緒に暮らそうよ」
こんなのただの口約束に過ぎない。
なんの保証もないけど…
このまま何もしないよりは、ずっとマシだと思った。
「A…！！ごめんね、こんなっ…こんなお姉ちゃんで…がんばるって、約束したのにねっ」
「お姉ちゃんはもう充分がんばったよ。バイト、掛け持ちしてるんでしょ？これ以上無理しちゃだめだよ」
しゃくりあげながら、鈴香さんはうんうんと頷く。
これでもう大丈夫かな。
悲しい結末は迎えなくて済みそうだ。
「国木田、氷浦、お前たちはそろそろ会場に戻れ。東雲は俺たちで支える。…なぁ、風丸」
「…あぁ。いいな？東雲」
こくんと小さく頷いたのを確認して、私たちは資料室を後にした。
ほっと一安心している私とは裏腹に、貴利名は曇った表情をしている。
「…どうしたの？貴利名」
「A…あのさ、俺ずっと隠してたことがあるんだ」
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さきこ(プロフ) - カミカさん» ありがとうございます！がんばります〜(*´-`) (2018年11月25日 19時) (
レス) id: b0083ad673 (このIDを非表示/違反報告)
カミカ - これからも続けれるように頑張ってください！楽しみにしてます！ (2018年11月25日 16時) (レス) id: b42da9a3fb (このIDを非表示/違反報告)
さきこ(プロフ) - 星水さん» わあああありがとうございます！！すごく励みになります…(*´-`)がんばります！！ (2018年11月6日 23時) (レス) id: b0083ad673 (このIDを非表示/違反報告)
星水 - 続編おめでとうございます！前作からずっと影ながら応援してました、、！ とても面白いです！国木田ちゃんと氷浦くんが仲直りできますように、、！更新頑張ってください！ (2018年11月6日 20時) (レス) id: 3c634cce7d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきこ | 作成日時：2018年11月1日 20時
