EP73 ページ29
愛してもらっている間だけは自由になれた。
本当の私をさらけ出すことができた。
だってこれは、有限の愛。
お金が全てを解決してくれる。
何より愚かだと感じたのは、うんとメイクをして背伸びした格好をしている自分が周りより大人に見えたことだ。
本当はそんなことないのに。
「っ…でもお前、そんな風に言ったこと一度も…！」
「言えるわけないじゃない。…好きな人になんて」
彼は目を見開く。
誰にも言っていなかったけど、私は風丸くんと一時期だけ付き合っていたことがある。
告白は彼から。
入学式の時にあんなに冷たい態度をとったのに、彼は私が好きだと言ってくれた。
彼なら私を救ってくれるかもしれない。
全て話しても、真っ当な道を歩ませてくれるかもしれない。
淡い期待を抱きながら、彼との交際が始まった。
最初は幸せだった。
私だけを見てくれる優しい彼。
何もかもを、その大きな器で受け止めてくれるかと思った。
…でもやっぱり、そんな幸せは長続きしなかった。
「鈴香ちゃん、最近忙しいのかい？」
「君の妹と一緒に暮らしたいんだろう？」
今思えば、私を引き止めるための口実だったのかもしれない。
まんまとその口車に乗せられた私は、数週間の幸せに終止符を打つことにした。
彼に悩みを打ち明けることもできないまま、嫌われるのが怖くて、引かれたくなくて、何も言わずに。
彼も深く聞いてはこなかった。
ああ、やっぱりこんなものか。
恋なんて、一時の気の迷いなんだ。
「…どう？これが本当の私。親からもらった美貌なんて、中身次第で簡単に台無しにできるんだよ」
自分のやっていることがあまりにも惨めで、笑うことしかできなかった。
責任を感じているのか、風丸くんは冷や汗をかいて呆気にとられているみたい。
「鈴香さん、今の話…」
「A！？」
いつの間にか私の後ろには、氷浦くんとAが立っていた。
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さきこ(プロフ) - カミカさん» ありがとうございます！がんばります〜(*´-`) (2018年11月25日 19時) (
レス) id: b0083ad673 (このIDを非表示/違反報告)
カミカ - これからも続けれるように頑張ってください！楽しみにしてます！ (2018年11月25日 16時) (レス) id: b42da9a3fb (このIDを非表示/違反報告)
さきこ(プロフ) - 星水さん» わあああありがとうございます！！すごく励みになります…(*´-`)がんばります！！ (2018年11月6日 23時) (レス) id: b0083ad673 (このIDを非表示/違反報告)
星水 - 続編おめでとうございます！前作からずっと影ながら応援してました、、！ とても面白いです！国木田ちゃんと氷浦くんが仲直りできますように、、！更新頑張ってください！ (2018年11月6日 20時) (レス) id: 3c634cce7d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきこ | 作成日時：2018年11月1日 20時
