泣き虫5人 ページ6
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しばらく歩いていると、少し前の方の塀に、黒猫がいた。
実來よりも早く、それを見つけた祈織は「やばい。みーちゃんに猫は見せたらいけない!」と思っていた。
正直言って、めんどうくさいのだ。
猫が好きなのは大いに結構。だが、実來の猫への愛は重い。
野良猫だとわかると、絶対家に連れて帰りたがる。
無理だと言うと、ぐずるのだ。
そこで祈織は考えた。
「みーちゃん。あのお花、なんていう名前だっけ?」
実來の意識を、違う方へそらすのだ。
「どれ!!」
「あれだよ。あれ。あの小さい黄色いお花。」
「まって!え!あれ、みー見たことある!」
当たり前だ。どこにでも咲いてる花なのだから。
「なんて名前だっけ?」
「えーーーなんだっけ?」
2人で、考える。
この作戦は、成功したな。そう思った矢先、
ニャ〜ン
と、足元から忌々しい鳴き声が。
しまった。実來が猫を見つけた。
と、思ったときにはもう遅かった。
「あらー!猫ちゃん!かわいいねぇ〜」
なんて言いながら、猫の頭を撫でている。
絶望だ。
「でも、今日はね〜いーちゃんとお買い物行くの。だから遊んであげられない。ごめんね?」
「…………ぇ?」
なんだって!祈織は、物凄く驚いた。あの猫好きの実來が、猫と遊ばない。
だが、祈織にとっては好都合。めでたしめでたしだ。
普段、外に出ると絶対に寄る公園も、大好きな猫も、素通りしていった。
「みーちゃん、公園行かなくていいの?」
しまった。墓穴を掘った。余計なこと言わなければ…。
なんて祈織が思っていたのを、知って知らずか。
「うん!今はいいの!帰りに寄ろー!それより早く行こ!」
こうなると不思議だ。
なぜ実來は、こうも早く目的地に行きたがる。
「みーちゃん、なんでそんなに早くスーパーに行きたいの?」
疑問は早く解決させたい。
「だって、食べたいお菓子が売り切れてたら嫌だから!」
「………ぇ。」
まただ。本日2回目の【え】
子供というものは、本当にお菓子が好きだな。
なんて、当たり前な事を考えてるうちに、目的地のスーパーが目の前だ。
「おっかし〜!おっかし〜!」
なんて、人が苦手な実來からは想像もできない声の軽さだ。こんな人混みなのに。
やっぱりお菓子はすごい。祈織はそう思った。
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春光 - アリスさん» 返信、遅くなってしまいました。申し訳ございません。イラスト、是非おねがいしたいです。ありがとうございます。 (2019年6月20日 23時) (レス) id: 766a3710d9 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - イラスト描いて良いですか? (2018年12月14日 10時) (レス) id: e6bf6e1bae (このIDを非表示/違反報告)
春光 - 厨二病患者さん@歌い手厨?さん» ありがとうございます!最っ高の褒め言葉です!!その言葉で、頑張ろうって思いました!(単純)ご期待に添えられるよう、頑張ります! (2018年8月8日 2時) (レス) id: a566beeabf (このIDを非表示/違反報告)
厨二病患者さん@歌い手厨?(プロフ) - 最近、ブラコンにまたハマってきたので更新してるものをみて「うひょぉおおうあああ」とか叫んでました。←面白いし可愛いし最高です。これからも応援してます! (2018年8月7日 22時) (レス) id: 7c23cd898c (このIDを非表示/違反報告)
春光 - コメントありがとうございます!お返事遅くなってすみません汗、お返事の仕方がわからなくて…()ありがとうございます!そのお言葉が励みになります!こんな自己満作品ですが、読んで頂いてると思うと胸が高鳴ります!これからもよろしくお願いします! (2018年8月3日 0時) (レス) id: a566beeabf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春光 | 作成日時:2018年7月8日 2時