泣き虫3人 ページ4
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駆け寄ってきた絵麻の顔を見て、侑介は思った。「やばい!みーちゃんこいつのこと知らねぇ!」
「ちょっ!おまっっ! まてっ!」
侑介の制止も聞かずに、
いや、聞こえていなかったのかもしれないが
絵麻は実來に近づき、実來の頭の上から話しかける。
一応膝はまげているのだが、しゃがみこんだ実來よりも目線は高い。
唯一この場にいて、状況を把握している侑介はとてつもなく、焦っていた。
実來が知らない人とは喋れないと言う事、実來が頭の上から声をかけられるのを苦手とする事、
それを、この場にいる侑介はわかっていたからだ。
この場の状況は、本当にまずい。
絵麻が、その実來が苦手とする行為2つを同時に行っているからだ。
「どうしたの?どこか痛い?なんで泣いてるの?」
実來の顔は、先程には無かった恐怖で埋め尽くされていった。
実來の泣き声はより一層、大きくなった。
耳をつんざくような、声変わりのしていない高い声がリビングに響きわたった。
目と鼻を真っ赤にし、泣きじゃくる実來と、なにもできない2人。
そこに、ガチャと、ドアの開く音が。
どこかに出かけていたのだろうか、祈織が帰ってきた。
救世主だ。と、侑介は思った。ただただこの場に祈織の存在は、ありがたかった。
祈織は、実來の姿を見つけ、そばに寄った。
「あーあぁ。みーちゃん、どうしたの。なんでそんなに泣いてるの。」
と、しゃがみこんだ実來を抱え上げて、小さな子供をあやすように背中をトントンと優しく2回叩く。
「そんなに泣くと、また苦しくなっちゃうよ??」
以前、実來は、泣きすぎて咳き込み、嘔吐した事があった。祈織はそれを心配する。
「いーちゃん」
と、実來は、鼻の詰まった声で祈織の愛称を半ば叫び、祈織の首元に抱きついた。
祈織は、実來の背中を先と同じように数回トントンと、優しくたたき、実來を部屋に連れて行った。
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春光 - アリスさん» 返信、遅くなってしまいました。申し訳ございません。イラスト、是非おねがいしたいです。ありがとうございます。 (2019年6月20日 23時) (レス) id: 766a3710d9 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - イラスト描いて良いですか? (2018年12月14日 10時) (レス) id: e6bf6e1bae (このIDを非表示/違反報告)
春光 - 厨二病患者さん@歌い手厨?さん» ありがとうございます!最っ高の褒め言葉です!!その言葉で、頑張ろうって思いました!(単純)ご期待に添えられるよう、頑張ります! (2018年8月8日 2時) (レス) id: a566beeabf (このIDを非表示/違反報告)
厨二病患者さん@歌い手厨?(プロフ) - 最近、ブラコンにまたハマってきたので更新してるものをみて「うひょぉおおうあああ」とか叫んでました。←面白いし可愛いし最高です。これからも応援してます! (2018年8月7日 22時) (レス) id: 7c23cd898c (このIDを非表示/違反報告)
春光 - コメントありがとうございます!お返事遅くなってすみません汗、お返事の仕方がわからなくて…()ありがとうございます!そのお言葉が励みになります!こんな自己満作品ですが、読んで頂いてると思うと胸が高鳴ります!これからもよろしくお願いします! (2018年8月3日 0時) (レス) id: a566beeabf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春光 | 作成日時:2018年7月8日 2時