検索窓
今日:22 hit、昨日:1 hit、合計:72,172 hit

泣き虫2人 ページ3




だが、実來が思った人物とは違ったようだ。赤い髪の毛に、制服。今日は学校が半日だけあり、帰ってきた直後の侑介とばったり会ったみたいだ。


実來は、要だ。と予想を付け顔を上げたが、その予想が外れ明らかに動揺を示した。

恐怖を顔に出しはしないが、泣き出しそうな実來。


実來は2日程前、要と“喋るときはもう泣かない”と約束したばかりだった。


その、大事な要とした、大事な約束を、破ってしまいそうな恐怖と、慣れていない兄弟を目の前にした恐怖に、じわじわと駆られた。


侑介は、部屋から1人で出て来た実來に驚いたようだったが、[1人で出て来た]というのには、なにか理由があるのでは無いか。と考え、実來と目線を合わせるように屈み、話しかけた。


「お〜、みーちゃん。どした?」


突然話しかけられた実來は吃驚し、涙を流す事を、一層促した。と言っても、まだ泣いてはいないが。



「…………か、かな……が、部屋にいなかった…。」


だいぶと間を開けた返事だったが、ちゃんと答えた自分に、実來は
「よし、よく頑張ったぞ、僕。」なんて思っていた。


「そかそか、かな兄いなかったか。
かな兄、今日は仕事だと思うぞ?」


仕事だったのか?でもいつもの手紙はなかったぞ?と、実來は思った。

それを侑介に伝えなければ。という何かの使命感。


「………でも、かな、お仕事行くとき……紙、おいていくっ…」


また、間を開けたものだったが、実來の意思は、侑介にきちんと伝わったようだ。


「う〜ん、そうだな〜。でもかな兄、朝はバタバタしてたぞ?なにか、急ぎの用でもあったんじゃないか?」


そこで、実來は納得した。「あ〜。昨日の夜、なんか言ってたな…。朝からいないとかなんとか…」昨日の会話を思い出したようだ。


教えてもらったのならば、礼を言わなければいけない。それなりの常識は持ち合わせている。


「あ、ありが、と…」


そう言ったとたん、実來の目から涙が。


こらえてきた涙が、枷が外れたように流れてきた。

涙がぽたりと落ちると同時に、実來がしゃがみこんだ。



その実來の泣き声につられてやってきたのは、新しく兄弟に来た、絵麻だった。



「なにか、泣き声が聞こえるんだけど、どうしたの?」



絵麻は、泣いている実來を見つけると、駆け寄った。

泣き虫3人→←泣き虫1人



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (40 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
193人がお気に入り
設定タグ:BrothersConflict , 男主
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

春光 - アリスさん» 返信、遅くなってしまいました。申し訳ございません。イラスト、是非おねがいしたいです。ありがとうございます。 (2019年6月20日 23時) (レス) id: 766a3710d9 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - イラスト描いて良いですか? (2018年12月14日 10時) (レス) id: e6bf6e1bae (このIDを非表示/違反報告)
春光 - 厨二病患者さん@歌い手厨?さん» ありがとうございます!最っ高の褒め言葉です!!その言葉で、頑張ろうって思いました!(単純)ご期待に添えられるよう、頑張ります! (2018年8月8日 2時) (レス) id: a566beeabf (このIDを非表示/違反報告)
厨二病患者さん@歌い手厨?(プロフ) - 最近、ブラコンにまたハマってきたので更新してるものをみて「うひょぉおおうあああ」とか叫んでました。←面白いし可愛いし最高です。これからも応援してます! (2018年8月7日 22時) (レス) id: 7c23cd898c (このIDを非表示/違反報告)
春光 - コメントありがとうございます!お返事遅くなってすみません汗、お返事の仕方がわからなくて…()ありがとうございます!そのお言葉が励みになります!こんな自己満作品ですが、読んで頂いてると思うと胸が高鳴ります!これからもよろしくお願いします! (2018年8月3日 0時) (レス) id: a566beeabf (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:春光 | 作成日時:2018年7月8日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。