泣き虫17人 ページ18
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眠ってしまった実來を抱きかかえ風呂をでる。
パジャマを着させ、部屋に戻る。
そのまま2人は、朝までぐっすり眠った。
朝、食パンを食べ終え、着替えて外に出る準備をしていた。
準備ができて開いたドアの前に立っている要と、靴ひもをうまく結べずにもたもたしている実來。
「かなー、むすんで!」
自分では無理だと悟った実來は、要に甘える。
「みーちゃん、自分でやってみなよ。」
だが、要は受け入れない。自分で結べるようになるために、そう促す。
「でーきーなーいー」
眉間にしわをよせ、口をへの字にした。
「やってみなよ。」
「やったよ!できないんだもん!」
いつまでたってもわがままを聞き入れてくれない要に少しイラッとしたようだ。
折角楽しい1日にしようと思っている矢先に不機嫌になられては困る要は、「しょうがない」と結んでやる。
「ありがとっ!」
と、顔をクシャクシャにして笑った実來は、自分の手を要の手に滑らせる。
要は、実來を見た。すると、要の方を向いて満面の笑みで顔を綻ばせていたので、こちらの顔もつられて綻ぶ。
そして、要の大きな手のひらで実來の頭をポンポンとやさしく触れてやった。
それから2人は昨日、祈織と実來が訪れた公園に来ていた。
「よぉーし!かな、クローバー見つけたらみーちゃんにおしえてね!」
「あぁ。もちろん。みーちゃんも、見つけたら俺に言うんだよ。」
「うん!!」
2人は、休む暇も無く動き回る。
探し始めて10分が経過した頃。
「あったーー?」
実來が大きな声で叫ぶ。
「まだ。」
「そっか。」
明らかに落胆したような声だった。
それを聞いた要は少し申し訳なく感じるが、なぜ申し訳ないのだ。早々に見つからないものだろう。なんて自問自答する。
そして、もうしばらくたった頃。
「あ!!!」
実來が何か見つけたようだ。
要はそれを、四葉のクローバーだと思った。いや、普通はそうだろう。
「見つかった?」
「ちがう!けど、このおかしみーちゃん好き!」
と、ポイ捨てしてあるお菓子のゴミを拾い上げ要に見せる。
今度は要の方が落胆した。
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春光 - アリスさん» 返信、遅くなってしまいました。申し訳ございません。イラスト、是非おねがいしたいです。ありがとうございます。 (2019年6月20日 23時) (レス) id: 766a3710d9 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - イラスト描いて良いですか? (2018年12月14日 10時) (レス) id: e6bf6e1bae (このIDを非表示/違反報告)
春光 - 厨二病患者さん@歌い手厨?さん» ありがとうございます!最っ高の褒め言葉です!!その言葉で、頑張ろうって思いました!(単純)ご期待に添えられるよう、頑張ります! (2018年8月8日 2時) (レス) id: a566beeabf (このIDを非表示/違反報告)
厨二病患者さん@歌い手厨?(プロフ) - 最近、ブラコンにまたハマってきたので更新してるものをみて「うひょぉおおうあああ」とか叫んでました。←面白いし可愛いし最高です。これからも応援してます! (2018年8月7日 22時) (レス) id: 7c23cd898c (このIDを非表示/違反報告)
春光 - コメントありがとうございます!お返事遅くなってすみません汗、お返事の仕方がわからなくて…()ありがとうございます!そのお言葉が励みになります!こんな自己満作品ですが、読んで頂いてると思うと胸が高鳴ります!これからもよろしくお願いします! (2018年8月3日 0時) (レス) id: a566beeabf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春光 | 作成日時:2018年7月8日 2時