【BrothersConflict】泣き虫弱虫の子。

泣き虫1人 ページ2

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土曜日の朝、もう昼になるが、実來が目を覚ますと、いつもこの日は、隣で実來を見守っている要が、いなかった。


仕事か、と考えた実來だったが、仕事、というか、なにか用事があり、実來のそばを離れるときは、必ず目の届くところに置き手紙を置く要。
それは、びびりな実來を気づかう優しな行動だった。


だが、今日はその手紙も見当たらない。


トイレか、風呂か、と部屋中を探してみたがやはりいない。


もしかして、リビングにいるとか…？

1人でこの部屋は、心細かったのか、リビングに行くかと、実來は思った。

だが、リビングには、行きたくない。人に会う可能性が大きいのだ。


実來は別に、皆の事が嫌いなわけではなかった。
ただ、少し、怖いのだ。
なぜ怖いのかは、本人にもわからない。


10分程行くか行かないかで迷った実來は、行くことに決めたようだった。


部屋を出てから、不安気な顔をし、無意識ににぎり拳を作りその手を胸に当てゆっくりゆっくり、リビングへ近づいていった。


「かな…？ かな？」


のっそりのっそり歩きながら、少し小さい声で、要の愛称を呼んでみる。でも、返事はない。

もうちょっとでリビングだ。リビングまでにかながいたら、よかったのに…。


実來は切実にそう思った。


不安気な顔をしながらゆっくりドアを開ける。
良かった、見た感じ誰もいないようだ。シーンとしている。

1歩、2歩、3歩。歩いてみた。そして呼んでみる。

「かな？」

返事がない。もう一度だ。
今度は少し大きな声で。


「かなー？」


あたりを見渡してみても、目的の人物の姿は見えない。

すると、足音が聞こえてきた。こっちへ向かってくる。


誰だろう。要か？足音だけではわからないが、顔を上げて要かどうか確認する度胸はない。


だが、要の名を呼び、こっちに近づいて来ると言う事は、要か。と、きっとそうだ。と、実來は結論づけ、

近づいて来た誰かに、実來は、「かな！」と呼びかけた。

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