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「別れ話になるといつもあんなで…」


『そうですか…彼に気持ちは?』


「もうないです…もう疲れちゃって…」


少し事情を聞いていると静かに涙を流す彼女を


不謹慎にもキレイだって思ってしまい


思わず抱きしめていた


『大丈夫です、好きなだけ泣いてください』


背中をテンポよくポンポンと叩けば


彼女から沢山の涙が溢れてくるのを


体温で感じとっていた


しばらくすると規則的な呼吸が聞こえてきて


泣き疲れて寝てしまった彼女をぼんやりと見ていた


『こんなんで仕事とか大丈夫なのかな?』


ソファーに横にしていると、服が少しめくれて見えた痣


これが初めてじゃないんだろうなってすぐ分かった


「ん…ここ…」


『あ、起きましたか?』


俺の顔を見た彼女は慌てて起きると


「あの、本当迷惑かけてすみません」


必死に頭を下げてくる


『謝らないで下さい』


「帰ります」


『送ります』


「大丈夫ですから」


『家の前で待ち伏せされてたらどうするんですか!』


あんな所と彼女の傷を見て放っておける訳もなく


頭を下げ続ける彼女をタクシーに乗せて家まで送る事にした


『いないみたいですね』


「本当にありがとうございました」


玄関前まで着いていくと丁寧に頭を下げる


『そんなに謝らないで下さい、あ!ヌナ…携帯出して』


「え?」


『いいから、出して!』


彼女の手から携帯を取って自分の番号を登録して渡す


『何かあったら連絡して下さい!すぐ来れないかもしれないけど』


「本当、大丈夫だから」


教えた所で連絡してくるような人じゃないのは分かっているけれど


『お守りだと思って!じゃあ、帰りますね』


教えずにはいれなかった


「ありがとう、本当ありがとう」





朝帰りになってしまった俺はこっそり宿舎に入ったけど


WZ『ヒョン何やってんの?』


起きてる事が奇跡のジフンと玄関先で鉢合わせしてしまい


『え?なんで起きてんの?』


惚けた返事をしてしまった


WZ『彼女の所に行ってたから』


『そっか』


WZ『で?ヒョンは?』


『あ、あぁ…弟の所』


WZ『へぇー』


明らかに信じていない返事と一緒に水を渡されると


そのままソファーにダイブした


『あ!なぁージフン、覚えてっかな?前にさ、よくサイン会に来てくれてたヌナ覚えてない?』


顔を見てすぐに俺らのペンだって気付いたけど


どうにも名前を思い出す事ができずに


ジフンに聞いてみた





.

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作者名:はな | 作成日時:2021年8月30日 0時

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