18 ページ18
ベッドに寝転んでしばらくボーッとしていると
ﾄﾝﾄﾝ
ドアをノックする音
『飯食おう』
「はい…」
部屋から出ると適当に頼まれた出前が並んでいた
『夜は一緒に食べる約束だったろ？』
「はい…」
大人しく前に座ると、また静かな食事の時間が訪れる
部屋で考えてた…これは契約だからだと…
ユンギさんの言葉は契約を守る為のもので、私に向けられたものではないと
そう思わないと無理な自分がどこかにいた
全く好みでもなく、苦手の塊なユンギさんに心揺さぶられてるなんて
認めたくない
『なぁ…明日さ、帰り一緒にどっか行こうか』
ボーッとしていて、ユンギさんにいきなり話し掛けられて顔をあげた
「明日ですか？」
『ヒョン夜予定あんの？』
「いえ…ないです」
『じゃあ、初デート…だな』
「デート…」
その響きがとてもくすぐったい
『ずっと仕事ばっかでごめん』
「いや、仕方ないですよ…本部長仕事忙しいから」
いつもと違って優しく話してくるから戸惑いを隠せない
『そのさ…本部長ってのいい加減やめない？』
「へ？」
少し照れた感じにこっちまで恥ずかしい
『会社出たら、名前で呼んでくんねぇかな…距離あるみたいでしっくりこないし…Aは俺の彼女だろ？』
Aは俺の彼女だろ？
そう言われて顔が一気に熱くなる
「分かり…ました」
それからまともに食事出来なかったのは言うまでもなく
フワフワした心のせいで中々眠る事が出来なかった
JN『今日は定時で上がっていいよ？』
午後から社長に会うなり言われた
「え？」
JN『ユンギがさ、今日は拘束すんなって…自分は定時で終われるのか？って話じゃない？』
クスクス笑う社長はちょっと幸せそうに笑う
「ですね」
私もつられて笑うと、社長は私に頭を下げてきた
JN『ありがとう、無理なお願い聞いてくれて…でも、適当に選んだ訳じゃないんだ…Aちゃんがいいと思ってたし、Aちゃんじゃなきゃダメだって思ってたから』
「私も入社してから沢山お世話になってきたから…」
それ以上は何も言えず
JN『そんな事気にしてたの？』
社長はそれからもニコニコしていて、ユンギさんに偽装とはいえ彼女ができたのが
そんなに嬉しい事なのか？
と思うと、お金持ちにはお金持ちの苦悩があるのかな？って
漠然とそんな事を考えてしまっていた
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2909人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はな(プロフ) - KBさん» KB様、コメントありがとうございます。今でもこうして読んで下さる方がいて嬉しいです。私もこのお話のユンギさん大好きです。(いや、ユンギなら何でもいいんだろ？なんですが) (2021年9月27日 0時) (
レス) id: 1f844e58dc (このIDを非表示/違反報告)
KB - とっても面白かったです！素敵なお話ありがとうございました。ユンギさんサイコー( ☆∀☆) (2021年9月26日 16時) (レス) @page50 id: 5f0961fe40 (このIDを非表示/違反報告)
ユカ(プロフ) - そうだったんですね！いつか出来上がるのを楽しみにしています！ (2020年6月14日 22時) (レス) id: 9c1023239d (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 有香さん» コメントありがとうございます。今のところ考えてなくて…これの続編とかだと…結婚後とかですよね？短編でその後特集しようかな？と思った事はあるのですが、最近なかなか更新できないでいるので考え中です。 (2020年6月14日 22時) (レス) id: 1f6dba33e1 (このIDを非表示/違反報告)
有香(プロフ) - 続編とかってありますか？ (2020年6月12日 13時) (レス) id: 2580593c69 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はな
| 作成日時：2018年1月15日 19時
