太陽にちかい場所

30 ページ30

.



学校に着いてからもずっと太陽の「ごめん」が

気になってしまって集中出来ない。



何に対して謝ってきたのか全く見当がつかない。



授業中だけど携帯を開いて机の下で

『先に言っておく ごめん』と検索する。



英訳などが表示される画面をスクロールしていくと

小説かなにかの一文が出てきた。



「先に言っておく。

ごめん、お前とは付き合えない。」



まさかこの状況じゃないよね？

私が太陽のことを好きだって勘違いさせた？

全然そんな態度とってないよね？



「...いや、ないよな〜。」



「そこ、携帯っ！！！」



先生のその声にビクッとして前を見ると

別の子が携帯を取り上げられている。



「放課後職員室取り来なさい。」



怒られている子を見てクラスの中からクスクスと笑い声が聞こえる。


自分じゃなくて本当によかった。


私は机の下の携帯をそっとカバンに閉まった。



わざわざ連絡するのもなんか嫌だし

また明日の朝聞けばいいや。



そんなことを考えながら今朝の会話を思い出す。


太陽明後日から大会って言ってたよな。

だから、明日は前乗りで

電車違う時間に乗るって。




「あぁ〜...」




私は思わず机に突っ伏してしまった。





.

31→←29

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す