最終章 ページ33
嬉しい。
敦が、私を見てくれた。
話し掛けてくれた。
勇気を出してくれた。
「…太宰さん…」
「…」
だけど、ちゃんと言わなきゃ。
太宰さんに、
“ごめんなさい”って、言わなきゃ。
「Aちゃん」
「…はい」
“今更敦君を選ぶんだ”
なんて言われたらどうしよう、と
太宰さんから目を逸らしてしまった。
…だけど、
「おめでとう、Aちゃん」
「…え」
返ってきた言葉は優しくて、
太宰さんの笑顔も優しくて、
「っ…有難うございます!」
と、無意識に言っていた。
だけど、敦が
「太宰さん…本当に、そう思ってるんですか…」
と、困ったように問い掛けた。
「勿論だよ、こうでもしないと君は変われないだろう?」
「…!」
私には、敦の顔が見えなかったが、
「有難うございます…!!」
と言ったとき、敦が泣いている事に初めて気付いた。
「さあ、行った行った、朝から煩いから眠れないじゃないか」
なんて、いつもの太宰さんだ。
「太宰さん…仕事しましょうよ…」
そう、呆れたように言う敦と
口をとんがらせて
“え〜、少しくらい寝ていても良いじゃないか…”
と、呑気に言う太宰さんを見ていると、自然と笑いがこみ上げてきた。
「ふふ…あははっ…」
「え…A…?」
「Aちゃん…?」
「だって…嬉しいんです!
敦も太宰さんも…いつも通りで…!」
「…そうだね」
「最近ピリピリしてたしね〜」
そう言って私達は、顔を見合わせて、笑った。
これからの生活が、また楽しみになる。
敦も太宰さんも…私も、
こんな風にずっと笑っていられたら…幸せだ。
…これは、私と敦の、物語。
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いずでく - 冬音さんの作品が大好きです!!今回のも少し泣けました(;;)とても面白かったです!敦くんの小説で感動したの初めてです……。こんなに素晴らしい作品を、どうもありがとうございました!! (2019年4月30日 1時) (レス) id: d575adfd26 (このIDを非表示/違反報告)
冬音(プロフ) - ユナさん» 有難うございます!見ていただけるなんて…嬉しくて死にそうです0(:3 _ )〜こちらこそたくさんコメントありがとうございました! (2017年7月7日 18時) (レス) id: 24c430e211 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - 冬音さん» そうなんですか。ではそちらも拝見させていただきます。お疲れ様でした! 連コメ失礼致しました。 (2017年7月7日 18時) (レス) id: 8f8a6b3fb6 (このIDを非表示/違反報告)
冬音(プロフ) - ユナさん» 一応此処で終わりなんですが、なんかもうちょっと書きたい…って思ってるので、他のキャラで似たような題名で書きたいなーと思っております! (2017年7月7日 18時) (レス) id: 24c430e211 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - 冬音さん» いや、もうほんと道化師のところで息詰まりました。最終章だからそろそろ終わりですか? それとも、まだ続くのでしょうか。 (2017年7月7日 18時) (レス) id: 8f8a6b3fb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:冬音 | 作成日時:2017年4月3日 18時