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「ゲホッ…だざ…太宰さん…!!」




そう私は大きな声で、叫ぶように言い放った。




「出てきて…ください!!」




もう、涙と汗とがぐちゃぐちゃになって、

きっと今の私は見ていられない程の顔だと思う。


それでも、伝えたくて。


早く、言いたくて。





「太宰さ…」






そう、もう一度大きな声で呼ぼうとした其の時


ガチャリと、私が待ち望んだ音が聞こえた。





「どうしたのAちゃん…?」




「太宰さん…っ!」





彼は、とても驚いた顔だった。

それもそうだ。


大声で名前を呼ばれ、しかも、名前を呼んだ張本人が泣いて居る。


驚くのも無理が無い。




「太宰さん…返事を…言いに来ました…!」




そう、途切れ途切れ私は話す。

すると、




「そうかい…じゃあ、取り敢えず家の中に…」




と、太宰さんの言葉が途切れた。





「…?あの…」





「Aちゃん、家に入る必要は無さそうだ

…あれを見たまえ」






そう言って私の後ろに指を指した太宰さん。



そこには





「…敦…?」







「はぁっ…はぁっ…A…!!」






私の名前を呼ぶ、敦が居た。

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いずでく - 冬音さんの作品が大好きです!!今回のも少し泣けました(;;)とても面白かったです!敦くんの小説で感動したの初めてです……。こんなに素晴らしい作品を、どうもありがとうございました!! (2019年4月30日 1時) (レス) id: d575adfd26 (このIDを非表示/違反報告)
冬音(プロフ) - ユナさん» 有難うございます!見ていただけるなんて…嬉しくて死にそうです0(:3 _ )〜こちらこそたくさんコメントありがとうございました! (2017年7月7日 18時) (レス) id: 24c430e211 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - 冬音さん» そうなんですか。ではそちらも拝見させていただきます。お疲れ様でした!  連コメ失礼致しました。 (2017年7月7日 18時) (レス) id: 8f8a6b3fb6 (このIDを非表示/違反報告)
冬音(プロフ) - ユナさん» 一応此処で終わりなんですが、なんかもうちょっと書きたい…って思ってるので、他のキャラで似たような題名で書きたいなーと思っております! (2017年7月7日 18時) (レス) id: 24c430e211 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - 冬音さん» いや、もうほんと道化師のところで息詰まりました。最終章だからそろそろ終わりですか? それとも、まだ続くのでしょうか。 (2017年7月7日 18時) (レス) id: 8f8a6b3fb6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:冬音 | 作成日時:2017年4月3日 18時

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