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「名前は?」
『いや…えっと、』
さすがに何かが起こってからじゃマズイし、いい人そうな人ほど何か裏があるって聞くし。
「そうだよね、自分から名乗らないとね!僕はこういうものです、」
別にわたしが渋ったのはそういう意味ではなかったけれど、彼は何故だか納得したかのように微笑んでわたしに名刺を差し出した。
黄色がたくさんあしらわれた可愛らしい名刺。
そこにはお店と彼の名前が書かれていた。
聞いたことのないお店で、何屋さんなのかも分からない。
『平野……』
「ショウです。難しいよな(笑)」
ショウさんと名乗った彼の名前の左上には、《オーナー》と書き記されている。
『オーナーさんなんですね、』
「うん、一応ね。小さい店だけど」
『これって、何屋さんなんですか?』
「秘密。後で教えてあげるよ」
エレベーターが動き出せば彼とはもうお別れで、後なんてないのだけれど。
とりあえずは頷いて、あとで調べればいっか、なんてその時は思っていた。
「僕名乗ったけど、君は?」
さすがに名刺まで差し出されて名乗られたらシラを切るわけにもいかなくて。
『永瀬Aです、』
わたしも変に素直に答えてしまった。
彼には人を素直にさせる何かがあるのかもしれない。
「Aさん、いい名前だね」
『ありがとうございます、』
勇太くんもいつも言ってくれる。
Aっていい名前だよね、と。
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みゅう(プロフ) - 最高です泣いちゃいました(TT)本当に恋してるとき胸がギュゥってするやつになってやばいです(TT) (2019年2月11日 23時) (レス) id: e5fba142e0 (このIDを非表示/違反報告)
えり(プロフ) - 読ませていただきました(^^)心が暖かくなる素敵なお話でした!ありがとうございます! (2019年1月18日 19時) (レス) id: faf246fb32 (このIDを非表示/違反報告)
べりーちゃん - 素晴らし作品でした。ありがとうございました。 (2018年11月3日 8時) (レス) id: 86a2f67dc6 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - ひかるさん» 読んでいただきありがとうございます!廉くんのお話公開中ですのでよろしければぜひ! (2018年10月28日 0時) (レス) id: 76e7965f2e (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - Mt.Wind Bellさん» ぞっこんになっていただけて嬉しいです( ; ; )またはちみつショコラの世界でお会い出来るように、機会があれば番外編などお届けできればなと思っております! (2018年10月28日 0時) (レス) id: 76e7965f2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:るる | 作成日時:2018年9月24日 17時