検索窓
今日:5 hit、昨日:14 hit、合計:935,012 hit

*03 ページ3

.




『12階…っと、』



ボタンを押そうと手を伸ばせば、既にわたしの目的の階のランプは点灯している。







今このエレベーターにはわたしともう1人しかいなくて、おまけに男性。









彼が甘いものが好きなのか、
はたまた彼女へのプレゼントなのか、




なんて見知らぬ彼がここへ来た目的を勝手に推察しながら上がっていくエレベーターに身を任せていた。









.





__________バンッ








エレベーターが6階のランプを示した直後、大きな音がして急停止。







電気も全て落ちて真っ暗闇に包まれた。









「雷落ちたかな、」






男性が何やら言っているけれど、わたしは震え出す手足を抑えるのに必死だった。








昔から密室は嫌いだ。







トラウマかと言われれば、幼い頃家族で行った巨大迷路で隠し扉に手を触れて、数十分ひとりで閉じ込められた過去があるくらい。









おそらく原因はそんなことじゃないだろうけど。









落ち着かなくて、ただただ怖くて
いつもなら隣で手を握ってくれる彼も、背中をさすってくれる弟もここにはいない。







『ゆう…ったくん…』







震える手でスマホを取り出せば電波は立っていて、履歴の1番上にある彼にとっさに電話をかけた。








声を聞ければ落ち着ける気がして。









______カチャ



電話をとる音が聞こえて、




『ゆう…ッ』






彼の名前を呼ぼうとしたのに。








「もしもし、勇太くんのケータイですけど、お母様ですか?」







彼じゃない女の人の声で、わたしの声は遮られた。








.

*04→←*02



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (974 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2871人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

みゅう(プロフ) - 最高です泣いちゃいました(TT)本当に恋してるとき胸がギュゥってするやつになってやばいです(TT) (2019年2月11日 23時) (レス) id: e5fba142e0 (このIDを非表示/違反報告)
えり(プロフ) - 読ませていただきました(^^)心が暖かくなる素敵なお話でした!ありがとうございます! (2019年1月18日 19時) (レス) id: faf246fb32 (このIDを非表示/違反報告)
べりーちゃん - 素晴らし作品でした。ありがとうございました。 (2018年11月3日 8時) (レス) id: 86a2f67dc6 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - ひかるさん» 読んでいただきありがとうございます!廉くんのお話公開中ですのでよろしければぜひ! (2018年10月28日 0時) (レス) id: 76e7965f2e (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - Mt.Wind Bellさん» ぞっこんになっていただけて嬉しいです( ; ; )またはちみつショコラの世界でお会い出来るように、機会があれば番外編などお届けできればなと思っております! (2018年10月28日 0時) (レス) id: 76e7965f2e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:るる | 作成日時:2018年9月24日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。