検索窓
今日:1 hit、昨日:21 hit、合計:935,183 hit

*25 ページ25

.





「A!」





『勇太くん、』







彼に会うのは1週間ぶり。










いつも通りの週末、







というわけでもなくて。








「どした?珍しいじゃん外で待ち合わせなんて」






『うん、ちょっとね』







いつもなら家まで勇太くんが迎えに来てくれていた。





たとえ彼の家で会う約束をしている日でも。








それが今日はわたしが無理を言って家から少し離れたカフェでの待ち合わせに変えてもらった。









「どっか行く?」





行き先も決めていない。









なぜなら、





『いや、ここで。』





今日はどこかに行くつもりなんてないからだ。








.






「すみませんホットひとつ」







店員さんにスマートにそう伝えた勇太くんは、何かを察したかのようにして椅子に座り直した。







「A、どうかした?」








たくさんたくさん考えた。






これが正しい判断なのだとわたしは思った。








それなのに、








いざ言おうと思うと涙がこぼれそうになる。









ずっと一緒にいた人にこんなことを言うのはやっぱり簡単にはいかないものだ。








『あのね…ッ、』







「A、やっぱり1回家行こう」







わたしの頬に伝うそれをみて、勇太くんは二人分のお会計を済ませて私の手を引いた。









嫌いになったわけじゃないからこそ辛いのだ。








.

*26→←*24



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (974 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2872人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

みゅう(プロフ) - 最高です泣いちゃいました(TT)本当に恋してるとき胸がギュゥってするやつになってやばいです(TT) (2019年2月11日 23時) (レス) id: e5fba142e0 (このIDを非表示/違反報告)
えり(プロフ) - 読ませていただきました(^^)心が暖かくなる素敵なお話でした!ありがとうございます! (2019年1月18日 19時) (レス) id: faf246fb32 (このIDを非表示/違反報告)
べりーちゃん - 素晴らし作品でした。ありがとうございました。 (2018年11月3日 8時) (レス) id: 86a2f67dc6 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - ひかるさん» 読んでいただきありがとうございます!廉くんのお話公開中ですのでよろしければぜひ! (2018年10月28日 0時) (レス) id: 76e7965f2e (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - Mt.Wind Bellさん» ぞっこんになっていただけて嬉しいです( ; ; )またはちみつショコラの世界でお会い出来るように、機会があれば番外編などお届けできればなと思っております! (2018年10月28日 0時) (レス) id: 76e7965f2e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:るる | 作成日時:2018年9月24日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。