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「それでね、これ、」
紫耀くんがわたしに渡したお皿の上には、見た目は至って普通の生チョコが乗っていた。
『生チョコ…?』
「うん、食べてみて?」
『いただきますっ、』
口に入れた瞬間に、心が温まったような気がした。
程よく甘くて、少し苦味もあるのにそれをかき消すような優しい味。
おまけにはちみつの独特な匂いなんて見当たらないのに、確かにはちみつだと思わせる風味。
『…ッ、』
「どう?」
『これッ…すっごくおいしい…』
「よかったあ〜!」
初めて口にする味なのに、どこか懐かしくも感じさせてくれる。
『優しい味…』
「さっきAちゃんがそう言った時にね、俺のはちみつショコラ食べてほしいって思ったんだ。」
『紫耀くん天才だよッ、』
「ありがとっ、」
彼の人柄がこの優しさを引き出していると言っても過言ではないくらい、紫耀くんにしか作り出せない味だと思った。
彼のことなんて全然知らないわたしがそう思うくらいに。
『これお店のメイン?』
「うん、これで勝負したいんだよね俺。」
『絶対人気出る!わたしが保証する!!』
「Aちゃんにそう言われると行ける気してきた!(笑)」
優しい空間、優しいオーナー、優しい味。
心の底から幸せだと、思ってしまった。
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みゅう(プロフ) - 最高です泣いちゃいました(TT)本当に恋してるとき胸がギュゥってするやつになってやばいです(TT) (2019年2月11日 23時) (レス) id: e5fba142e0 (このIDを非表示/違反報告)
えり(プロフ) - 読ませていただきました(^^)心が暖かくなる素敵なお話でした!ありがとうございます! (2019年1月18日 19時) (レス) id: faf246fb32 (このIDを非表示/違反報告)
べりーちゃん - 素晴らし作品でした。ありがとうございました。 (2018年11月3日 8時) (レス) id: 86a2f67dc6 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - ひかるさん» 読んでいただきありがとうございます!廉くんのお話公開中ですのでよろしければぜひ! (2018年10月28日 0時) (レス) id: 76e7965f2e (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - Mt.Wind Bellさん» ぞっこんになっていただけて嬉しいです( ; ; )またはちみつショコラの世界でお会い出来るように、機会があれば番外編などお届けできればなと思っております! (2018年10月28日 0時) (レス) id: 76e7965f2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:るる | 作成日時:2018年9月24日 17時