ワスレナグサ (ページ19)

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※流出の件に少し触れています

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ーside Ryuto

目を開けると

ここは楽屋…？

俺はソファに座っていた

いつも通りの風景だった

みずっこんは鏡に向かって念入りに髪をセットし

はしもっちゃんは1人筋トレを

がりさんと優斗は動画を見ながら笑ってる

そして俺にもたれかかってスマホを触ってるA

『ん？どうしたの作ちゃん？
私の顔になにかついてる？』

｢うんん、何もついてないよ｣

(あれ、？龍斗くんじゃなくて作ちゃん呼び？)

笑顔だったAの顔が急に暗くなったと同時に景色が楽屋から真っ暗な世界に変わった

『作ちゃんって嘘つきなんだね』

｢えっ？どうしたの急に｣

『私の事好きだって言ってたのに…
結局、私の事弄んでたんだね』

そう言ってAは涙を流している

｢ごめん、A｣

『信じてたのに…
ばいばい、龍斗…』

そう言い残してAは1人暗闇の中に溶け込んでいく

｢は、はっ！はぁはぁはぁ…｣

｢またこの夢だ…｣

あの流出した日からよくこの夢を見るようになっていた

Aは一切そんなこと言ってこなかったしあの事件のあとも最初は少し暗かったけど俺と話す時はずっと明るく振舞ってくれていた

でも知っていた

密かに1人で泣いていたことを

それを恋敵であるがりさんに慰めてもらっていたのを

俺は1番涙を流して欲しくない相手に俺の事で涙を流させてしまった

その罪悪感からくるものなのかよくこの夢をみる

最近はあまりみることは無かったのだが

Aが記憶喪失になってからまたよくみるようになった

自分がしてしまったことは決して許されることではないと思う

だけど俺は

グループの夢を自分の夢にするのと同時に

もう二度と自分のことでAに涙を流させないと決めた

｢ごめんね、A…ごめんね…｣

目から一筋の涙が零れ落ちていった