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『何頼む?』
「あ、えっと、どうしよっかな」
さっきからメニューを手に持っているけど、それよりも目の前でメニューを見つめている龍斗くんの顔がすごく綺麗で思わず見とれてしまっていた。
そして慌ててメニューを開こうとすると手が滑って床に落としてしまった。
もうバカ丸出しだ……
「あ……」
焦ってメニューを拾おうと手を伸ばすと龍斗くんの指先とわたしの指先が触れ合った。
どうやら龍斗くんも拾おうとしてくれたみたいで偶然重なっちゃったらしい。
こんな少女漫画みたいなことある、!?
ゆっくり彼を見上げてみれば優しく微笑んでくるからまた顔に熱が集中した。
あぁ……だめだ。ドキドキ止まんない……
「わたしこれにしようかな、」
とりあえず指さしたのはいちごのパフェで、なかなかのボリュームのものだった。
『ふふ、Aちゃんって意外と食いしん坊?』
「っ!違うのにしようかな…」
『いいよいいよ!俺もこれのチョコパフェにする』
そしてそれぞれオーダーを済ませればあとは待つだけ。
でも忘れてた……
こういうカフェってこの間の時間が長いんだった……
「龍斗くんって何人家族なの?」
何か話題作らなきゃ!と思って咄嗟に出た言葉はそれだった。
『お父さんとお母さんと弟の4人家族だよ』
「弟いるんだ!」
『うん、今小1ですっごいかわいい!』
小1!?だいぶ歳離れてるんだね……
「え〜!羨ましいな〜」
『Aちゃんは何人家族?』
「わたしはお父さんとお母さんの3人だよ」
『一人っ子なんだ!』
ずっと兄妹がほしい〜って思ってきたけど気がついたら高校生になってた。
でも昔お兄ちゃんがいたような記憶があるんだけどな……
それをお母さんに話したら「もう引っ越しちゃった近所のお兄ちゃんだよ」って言われたんだけど。
まぁ1人も楽だからいいんだけどね。
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作者名:サリー。 | 作成日時:2019年12月24日 13時