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そしてあっという間に優斗くんと遊ぶ日はやってきた。
最寄り駅で待ち合わせしたけど、やっぱりこの駅はいつでも人が多い。
人混みをかき分けていくと、イヤホンをさしながら柱にもたれかかる優斗くんの姿を見つけた。
「ごめん!お待たせ!」
優斗「おー、やっほー」
肩をトントンと叩くとすぐにイヤホンを外して「行こっか」と微笑んでくれた。
なんかこういうの……龍斗くんとデートしたこと思い出しちゃうな……
「どうしたの?」
いつもならたくさんしゃべる優斗くんが今日はやけに静か。
何かあったんじゃないかって心配になっちゃう。
優斗「……Aちゃんかわいすぎてビックリしてた…笑」
「っ、なにそれ、笑」
そんなこと言われたら照れちゃうよ……
こうやって褒めてもらえたら、服選びとメイクに時間かけてよかったと思える。
「優斗くんも、かっこいい」
優斗「あー……やばい」
わたしも優斗くんに"かっこいい"と言ってみるとため息をつきながら手で口を覆って黙り込むから少し不安になった。
もしかして嫌だった……?
「ね、優斗く……」
優斗「っ、こっち見んな」
なんだか心配になってきて顔を覗こうとすると、プイッと反対に背けられてしまった。
だけど赤くなった耳がチラッと目に入って、伝染するようにこっちまで赤くなっていく。
なにこれ……恥ずかしすぎる……
優斗「……あ、桜咲いてる」
「……ほんとだ、!」
お互いに沈黙が訪れて気まずくなっていると、優斗くんが上手に話題を投げかけてくれたからその空気はすぐに消えた。
実は今日は「そろそろ桜咲いてたらいいね〜」ってことでお花見をすることにしていた。
だからちゃんと桜が咲いていたことに思わずテンションが上がる。
そして目的地の公園に入ると、桜の木の下にレジャーシートを敷いて荷物を置く。
こういうの何年ぶりだろ……
優斗「あー腹減った」
「ふふ、わたしも〜!お弁当食べよっか!」
わたしたちはお腹が空いて仕方がないから、桜の写真を撮るよりも先にお弁当を食べることにした。
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作者名:サリー。 | 作成日時:2019年12月24日 13時