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あの真実を知ってから、わたしと龍斗くんは気まずくなってしまった。
一緒に下校をするも、沈黙は当然のように訪れる。
いつも繋いでいた手も寂しくぶらぶらと揺れている。
あーあ、こんなはずじゃなかったのにな……
『あのさ、』
「っ、なに、」
『今日、親いないんだけど、家くる……？』
龍斗くんの家……昔はわたしも住んでいた家。
もう一度そこに行って確かめてみたかった。
あのアルバムにうつる女の子はわたしだったのか、もう一度ちゃんと見てみたい。
「うん、行く」
______________
久しぶりに行く龍斗くんの家には誰もいなくて、少しだけ寂しく感じた。
『この女の子……Aちゃんだったんだね』
アルバムを広げてあの女の子を指さすとはぁ、とため息をつく龍斗くん。
きっとわたしも同じ気持ち。
「ねぇ、」
『ん？』
「わたしたちが兄妹だってことはわかってるの。だけどね……どうしたらいいのかわかんないの」
だっていきなり離れないといけない、なんて絶対に無理だし、そんなことしたくない。
今まで龍斗くんと過ごしてきた楽しい時間をなかったことにしたくない。
「ダメだってわかってるけど、龍斗くんのことが好き……っ、」
そう言ってぎゅっと服の裾を握ると、震えるわたしの体を優しく抱きしめてくれた。
『全然ダメじゃないよ……俺だってAちゃんのことが好きなのに』
そしてそのまま後ろに押し倒されて、視界には天井と龍斗くんしかない状態にされた。
躊躇う間もなく降ってきたキスに精一杯の愛をこめて応えて、お互い夢中になっていく。
龍斗くんの手がわたしの服のボタンにかかるけど、少し迷ってからその手を引っ込めてしまった。
『ごめん……無理だ……』
やっぱり忘れたくても忘れられない。
知りたくもなかった事実を知ってしまった今、わたしたちは行き場を失っていた。
これからどうしたらいいのか、別れるべきなのか、それとも兄妹だということを無視して過ごすべきなのか。
そんな蟠りがわたしたちを襲って、静かな部屋で2人して涙を流すことしかできなかった。
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作者名：ｻﾘｰ。 | 作成日時：2019年12月24日 13時
