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あっという間に1週間が過ぎ、ずっと楽しみにしていた日がやってきた。
クリスマスの時に出会ってからもう何度も2人で遊んでいる。
龍斗くんがいる生活が当たり前になりつつあるわたしは、もしかしたら龍斗くんに依存しちゃってるのかも……
『今日人多いね〜』
「ほんとだ、なんでだろうね」
映画館は賑わいを見せていて、多くの人で溢れていた。
とりあえずわたしたちはポップコーンとジュースを買って中に入って始まるまでのんびりしていた。
そして映画が始まると賑やかだった館内も一気に静まり返る。
この感じなんか懐かしいな……
映画はアカデミー賞候補だっただけあってものすごく迫力があって見応えがあるけど、それに伴って時々グロテスクなシーンも挟まれていた。
でもわたしは血とかが苦手だからあんまり見れなくて……
「龍斗くん……」
『ん?』
「怖い、」
小声でそう言ってみると温かくて大きな手にぎゅっとわたしの手が包まれた。
慌てて見上げると彼はふんわりと笑って『これで大丈夫?』なんて囁いてくるからぶんぶんと思いっきり首を縦に振った。
こんなの大丈夫なわけない……!
ドキドキしすぎておかしくなっちゃいそうだもん!!
だけど龍斗くんはそんなのも知らずにケロッとしているからズルすぎる……
そんなことを思いながらも映画が終わると握られていた手は解放された。
『おもしろかったね〜』
「うん、、すごかった」
わたしからしてみれば映画よりも脳内は龍斗くんで埋め尽くされちゃったんだけどね……
グゥー
うそ、最悪、やってしまった……
『ふふ、Aちゃんお腹空いた?』
「うわぁ…恥ずかしい……」
男の子にお腹の音聞かれるなんて女の子として恥ずかしすぎるでしょ……
すると俯くわたしを覗き込んで微笑んでくるから心臓が跳ね上がりそうになる。
『じゃ、ご飯食べに行こっか』
そしてわたしの手は再び彼に奪われてしまった。
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作者名:サリー。 | 作成日時:2019年12月24日 13時