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そういって前後にいた男達が襲いかかってくる。



まじかぁ…ただただひたすらに面倒くさい。
まあいいか。ざっとみたところこの場にいるのは10人弱、余裕だろ。
問題はどう片すかだよなあ。
やっぱり全員峰打ちで気絶させるのが手っ取り早いか、血出すと後処理とか諸々大変だし。


呑気にそんなことを考えていたとき、


ばぁん!





『えええ!? ちょ、拳銃は反則じゃない?!こんな狭い所で撃ったら危ないよ!!』

「ごちゃごちゃうるせぇ!!」


いきなり遠目にいる男達の仲間が銃で撃ってくる。
会話をしながらも銃や刀をかわしていく。



もうほんとになんなんだ………ん?


ガタッと近くで物音がした。
私も男達も音のした方へ目を向ける。
そこには6、7歳ぐらいの男の子がびっくりした顔をしてこちらを見ていた。




え、なんでこんな所に!!いや待って、ここじゃあの子があぶな…い!!!



ばぁん






「?! あいつらどこにいった!まだ遠くには行ってないはずだ、探せ!!」








私達は暗い路地裏を走っていた。
しばらく走った後、男の子の方に向かい合って止まる。



『大丈夫?怪我してない?』

「うん、僕は大丈夫!…でもお姉ちゃんお腹…!!!」



そう言った男の子が目を向けたその先にはじんわりと血が滲むお腹。



『これぐらい大丈夫だよ。それよりもこれから話す約束守ってくれる?』

「うん、いいよ!」

『いい子だね。じゃあ、これからこの先を振り返らないでまっすぐ走っていって。人のいっぱいいる大きな道に出るはずだから。そしたら黒い服を着て刀を持ってる男の人を探して。
見つけたら助けてって言うんだよ、わかった?』

「わかった!頑張って走る!」

『よし!その元気があれば大丈夫だね!泣かなくて偉かったよ〜』

「僕泣かないよ!お兄ちゃんだもん!」

『そっかお兄ちゃんだもんね。』



奥からドタドタと走ってくる男がする。



『っ…!
よし!それじゃいくよ?よーい、どん!』



男の子が走ってその場から去っていく。



「いたぞ!追え!」

『行かせませーん!』

「ふん。ヒーロー気取りか?女のくせに。」

『はぁ、どいつもこいつも女、女って。馬鹿みたい。おんなじ人間だっつうの。』

「うるさい!!」

『こっちは今機嫌悪くなったんだよねぇ。やるならさっさとやろうよ。』



さっきは刀を抜かずにずっと避けてばかりだったが、今度は私も刀を抜いて臨戦態勢に。



上等だ、やってやるよ。

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作者名:時咲 | 作成日時:2021年4月24日 17時

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