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『あああああぁぁぁ…』
私は審査会場だった真選組を出て大きめの道を歩いていた。
やらかした、完っ全にやってしまった…
なんで私はあんな説教じみた話し方をしてしまったんだ。絶対目付けられた。
大丈夫かな私、生きていけるかな…
私はこの先平和に暮らせるのだろうか…
そんなこと考えてたら悲しくなってきたぞ…
と、項垂れていた私だったが思い出したように顔を上げ自分の頭を触った。
それにしても勢いとはいえバッサリいっちまったなぁ、そんな言葉と共に短くなった毛先をいじってみる。
昔はずっとショートカットだったから、久しぶりな感じ。でもやっぱ短いほうが楽だし好きだな。
今までは切るのが面倒くさくて伸ばしっぱなしだったからいい機会かなー。
もう色々ありすぎて疲れた…
お金は…少ないけどお団子食べちゃお()
たしかここの路地に入ると近道だった気がする。
そういって私は路地裏に足を踏み入れたそのとき、突然目の前に男が現れた。
「よぉ。お前がこの前俺の部下ともめたやつだな?部下が世話になったらしいじゃねえか。」
そんな言葉とともに前も後ろも道を塞がれる。
誰だろ、この人達。
部下がどうのこうのって言ってたから、前にもめたことがある人…?
…あ、あれか。
そう、私が江戸に出てきて間もない頃に道でこんな感じの人達に囲まれた女の人がいた。
周りの人も気付いてはいたが面倒事に首を突っ込みたくはなかったのだろう、みんな素通りだった。
女の人もあからさまに嫌がっていたので私が助けにはいり、蹴散らしたのだ。
まさか仲間がいたとは思わなかったけど。
『さっき色んなことがあって私すっっごく疲れてるんですよ。…見逃してくれません?』
「それは無理な願いだな。__お命頂戴する。」
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作者名:時咲 | 作成日時:2021年4月24日 17時