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“真選組入隊希望者 募集中”


街の色んな所に貼られたこのポスター。


真選組?
江戸の警察か…
いいじゃん、私にあってそう。


そう呟いた彼女はポスターに書いてあった場所に向け、高めに結った髪の毛を靡かせながら足を踏み出す。
空は綺麗に晴れ、春の穏やかな風が吹く気持ちのいい天気の日であった。







『すみません、真選組の入隊審査の受付ってここであってますか?』

「あってますよ、入隊希望の方ですか?」

『はい。』

「わかりました。
それではこちらの用紙にお名前と年齢、それとご自身の剣に流派があればお書きください。
それからこの入隊審査は、実技、面接の順で行っていきます。
頑張ってくださいね。」

『ありがとうございます。』



へえ、ここが真選組かぁ…
広い道場だな…
というか、心做しか女子少なくない?
いや気のせいじゃない、女子私しかいなくない??
…やばいかな
まあ女の子で刀振ってるほうが珍しいか、仕方ない。

少しの不安が残る中、私は自分の席に座った。


そんなこんなで入隊審査は進んでいった。
あ、次私の番だ。



「次、前へどうぞ。」

『はい。』

「この真選組で副長をやっている土方だ、よろしく。審査を始める前に名前と剣に流派があればそれを答えてほしい。」

『一ノ瀬 Aです。流派は無く我流です。』

「そうか、それじゃあこれから実技の審査を始める。
まずはこちらから打ち込んでいくので避けるか、受け止め往なしてほしい。そしたら次はこちらが受けにまわるのでどんどん打ち込んできてくれ。
何か質問はあるか?」

『いえ、ありません。』

「それじゃあ始めるぞ。」


そして道場に竹刀のぶつかる音が響き始めた。


私の実技の審査は一先ず終わった。
意外と動いたな。毎朝素振りしてるからあれなんだけど、なまってなくてよかった。








--------------

道場には入らず開けっぱなしになった扉の間から覗くその影は、先程まで審査を受けていた者をじっと見つめていた。


「あの動きどっかで見たような…
それにさっきの奴もしかして…」

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作者名:時咲 | 作成日時:2021年4月24日 17時

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