いち ページ2
『…ぅぐ、…ぁ…』
一言で言うと、死にそう。
…そりゃぁ、2ヶ月間も何も摂っていないから、当たり前のことなのだろうけど。
でも、死にたくはない。
でも、生きていたところで意味は無い。
「ちょっ、大丈夫！？」
誰？
やっぱり人の気配があった。
ここから離れるべきだったんだ。
…でも、口調から兵士では無さそうだな。
助けを求めるだけ、無駄では無さそうだ。
私も、この人を殺せそうになさそうだし。
『…死に…そぅ…、食べ…物…。』
「食べ物？ちょっと待ってな…。あ、あったあった！パンでええか？水もあるで？」
私はその瞬間、もうすぐ助かる目前で、意識を手放してしまった。
ーーーーーーーーーー
目が覚めた。
そこは真っ白な部屋で、匂いは私が嫌いな薬品の匂いだった。
私はそこにいた、男の人に話しかけた。
『ねぇ、ここはどこなんですか。』
「おぉ、目覚めたんだねー。ここは、医務室だよ。まだどこの国かはおしえられないけど。」
まぁそりゃ、スパイの可能性だってある訳さ。簡単に教えられるわけないよな。
…まずい、発作がでる。
『あの、離れてください。それか、私を外に出して。はやく、はやく、死にたくないならはやく…！』
男の人は危険を察したのか、私を別の部屋に素早く移し、離れた。
『…はぁ、うぁ、はー…。殺したい殺したい誰でもいいから殺さなきゃ…！』
私はナイフでザクザクと床を刺した。
そこに反省の気持ちはなかった。
私は謎の発作持ちだ。
人を殺したくなる、殺意が出てくる。
それで、私はいつの間にか人を殺している。
私の知らないところで、私が殺している。
『…っはぁ、はぁ、はぁ…。すぅ、はぁ…。」』
「…落ち着いた？大丈夫？」
『…き、聞こえてたんすか。発作、出るんすよ。慣れてない場所だと特に。』
「キミ、人殺したりしたことは？」
『答えないとだめっすか？』
数えきれない程、なんて言いたくもない。
でも、嘘は、もっと言いたくない。
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作者名：紗柿 | 作成日時：2019年5月1日 0時
