溶けるようなキスを 【Kazunari】

1 ページ2

カランッ――






「ごめんっ、仕事が長引いちゃった！！」








急いで私が駆け込んだのは、友達が経営するとあるＢＡＲ・・・





��AspiratioN”





２年ほど前に建てられたこの店は、個室と、一部のカウンターで作られた大人の休める空間。








デザイナーといってもまだペーペーな私を、お手伝いとして雇ってくれてる友達の直己。





と、その彼女である親友の優子。








なんだけど、お手伝いを頼まれた時間から約２時間後に私はここに来た。





理由はもちろん、デザイナーの仕事なわけで。







優子「大丈夫よ(笑)今日２時間遅れだから。」



「えっ！？どうして？？」



直己「お前の会社の上司から連絡あったぞ？なんっつったかな、アオイさん？」



「んー！で、先輩からなんて？」



直己「すごい顔して頑張ってるんで２時間遅れそうですよ(笑)って。」



「すごい顔って(笑)今日は忙しかったの〜っ」



優子「はいはい(笑)今日は？そのワンピでやるの？」







そういって指をさされた先を見れば、ふわふわのピンクのワンピース。



仕事からまっすぐ来たからそのままだったんだ。








「ん、ダメ？」



直己「ダメじゃねぇけど。個室の運んでお前が喰われんじゃねぇぞ(笑)」



「そんなか弱くないよ！！」



優子「か弱いでしょ(笑)ま、いいからカバンおいてきなさい？」






はーいっと、返事して、控室にダッシュ。





私のためにわざわざ２時間遅らせてくれたんだ・・・。






・・・・・・・うれしい//








パパッと荷物を控室の隅に置き、お店に出る。



それでもちゃんと待っていてくれた二人が、私を見てＯＰＥＮの看板を立てた。








夜の９時にもなれば真っ暗な空。




キラキラ光る連なるお店の光。






きゅっとシュシュでポニーテールにして、カウンターに入った。







.






今日も・・・





たくさんの人が来てくれたらいいな。







いろんな人と出会えますように。

2→←プロローグ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す