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｢んー、やめよっかなぁ｣
それに普通に返事をする忠義。
お互いがしばらく見つめ合いながらフリーズした。
｢...やめるん？｣
｢やってさぁ...｣
ぐでっと動く忠義に後ろから抱きすくめられる。
わ、こんなシチュエーションいつぶり？？
不覚にもドキドキしてしまう。
｢Aが寂しそうな顔してるから...
放っておけへんやん？｣
無駄に整った綺麗な顔が真横にきて、
触れたくなるのを抑える。
｢そんな顔...してへんよ｣
うそ。
可愛い女の子たちにキャーキャー言われてる忠義を見るのは
あんまり気分の良いもんやないし、
...たまに、嫉妬だってする。
｢うそつき｣
顎を指で掴まれてクイ、と忠義の方に向けられた。
そのまま唇が重なって、息が詰まる。
何度も角度を変えて重なり合って、
頭に血が昇ったみたいにクラクラする。
｢やきもち妬いてる、って顔してる｣
｢...やって、女のコたちに囲まれてるねんもん｣
久々の甘い雰囲気に、本音が零れた。
｢心配せんでも俺はAしか見てへんで｣
憂鬱な気分もどこかに行ってしまう忠義の声が耳元で囁く。
ゴールデンレトリーバーな彼はもうどこにもいなかった。
｢...俺の面倒見れるの、Aしかおらんやん？｣
うそ。ゴールデンレトリーバーな彼は健在でした。
Fin.
続く
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作者名：琳兎 | 作成日時：2017年1月7日 4時
