短篇詰め。【∞】 (ページ4)

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初恋泥棒 feat:Tadayoshi-O ページ4

｢A～リモコン取って～｣

｢自分で取りに行けばええやん｣

｢いやや～めんどくさい～｣

こんなハズじゃなかった。

わたしの初恋をさらりと奪っていったこの人は。

こんなにだらだらしたクマじゃなくて。

ぶつかって倒れてしまったどんくさいわたしに駆け寄って

｢ごめん！怪我してない？｣

って言ってわたしの顔をのぞき込む金髪王子様。

のはずだった。

仕事が出来てモデルみたいにカッコよくて、

いつでも優しい。そんな人だと思ってた。

間違ってもこんな

・いつでもジャージ
・食べまくる
・寝まくる

だらしない3点セットが揃ってるような人だとは

思ってなかった。

｢...なに、その目！彼氏に向けるもんやないやろ！｣

ギャンギャン吠える姿はまるでゴールデンレトリーバー。

あぁ、実家の近くのハナちゃん、元気かな...

｢なーんも。はい、リモコン｣

｢ありがとー｣

なんだかんだ言いながら

ちゃんとリモコン取ってあげるわたし。なんて健気なの。

｢明日月曜やーん、ほんま嫌やー...｣

｢大変ですねー、王子様は｣

｢せやねーん、大変やねん...｣

｢じゃあ、辞めればええやん｣

愚痴る忠義に向かって、ぽろりと出たひとこと。