短 篇 詰 め 。【∞】

ないものねだり feat:Tadayoshi-O ページ8

忠義side





｢忠義って、いつでもわがままばっかりで子どもみたい｣


｢...Aやって、いっつもないものねだりやんか、

...何が欲しいんか、言うてくれへんとわからん...｣


...たまに、俺らは本当に

恋人同士なんやろうか、って思う。


というか、よく思う。



ふたりで出かけても、


｢あっち見たりそっち見たり、

...美人さんが好きなのね｣


｢Aやって、さっきのカフェの店員さん、タイプやろ｣


お互いに、素直になれずに。


Aの言うことに毎回

しゃーしゃーと言い返してしまう俺は、本当に子どもで。




ゆらゆらと。


俺の心はスースー風に吹かれるようで。


ゆらゆらと。


Aの心は、俺から離れていってる...？


俺とAの恋は、


ゆらゆら、


ゆらゆらと、


宙に舞って。



ゆらゆらと揺れてる綿毛みたいに、


曖昧だ。

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