短 篇 詰 め 。【∞】

こどなの階段 feat:Ryuhei-M ページ6

｢“大人”でも“子供”でもない僕らは“こどな”やね｣

って笑う君の笑顔が、眩しい。


君の後ろの青空も眩しくて、

制服なんて脱ぎ捨てて翔け出したくなる。



｢...丸ちゃーん。一緒に、帰ろ｣


｢おん！｣



黒い髪をふわりと揺らして振り向く、

幼なじみの丸ちゃん。


私の、恋人でもあって。


丸ちゃんのオレンジ色の自転車の後ろに乗せてもらう。


｢じゃ、行くでー｣


私たちの通学ルートは結構道が滑らかで、

後ろに乗っててもあまりガタガタしない。



私は背が低いから見えないけれど、

きっと今、丸ちゃんの顔は夕日に照らされて

キラキラしてるんだ。


優しくて、いつも笑顔な丸ちゃんに

よく似合うオレンジ色。



自分の痛みなんてひた隠しにして。


こっちが聞いても、丸ちゃんは絶対に話してくれない。


鼻の奥がツンとして、胸がきゅ、ってして。


自転車を漕ぐ丸ちゃんの背中になんとなく、


“ありがとう”


って書いた。

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