短 篇 詰 め 。【∞】

・・ ページ37

｢マル帰ろー！｣

｢はわわ、ちょっと待ってやおおくら〜、｣


...はわわって。...はわわって！

運動部の男子高校生がはわわって！！


かわいすぎる...！


そんなこと思ってたら、

あっという間に丸山くんが来ちゃって。


｢あ、今日Aも一緒やねん、ええ？｣


なんて白々しく言ってのける大倉に腹が立ったけど。


断られないかハラハラして。


いつもなら大倉のこと怒るけど、

今はなんにも言えなかった。


けど 優しい丸山くんのことだから、なんとなく。

断られることは無いだろうな なんて変な油断があった。


｢...全然！大丈夫、やで！｣

案の定丸山くんは断らなかった。

ちょっと焦ったような返事は気になったけれど。


いっつも見てることしかできなかった丸山くんと

一緒に帰れるなんて夢みたいで。



...いつか、ふたりで帰れたらいいな なんて。



私みたいなチキンには無理な話かも知らないけど。


ちょっとした希望的観測。


｢ありがとう、｣

って丸山くんにお礼を言って、昇降口に向かう。


いつもどおり言えたかな。

声は震えてなかったかな。

愛想悪くなってなかったかな。


そんなことばっかりが気になって、

丸山くんと話すのなんて到底無理な気がしてきた。

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