短 篇 詰 め 。【∞】

お好み焼き feat:Syota-Y ページ33

もわっとした空気が私を包んで、

ジュージューという独特な音がする。



｢いらっしゃいませー！｣








友達の唯に

｢イケメンの店員さんおるねんて！｣なんて言われて

連れてこられたお好み焼き屋さん。


正直、お好み焼き屋さんが嫌いなわけじゃない。

むしろ大好きなくらい。


けど、わざわざ店員さん見に行くんは、なぁ...


｢ここのお好み焼き屋さんな、

店員さんがそれぞれのテーブル担当して

全部焼いてくれんねん｣


...そのタイプのお好み焼き屋さんは...

...行ったことないな...


なんとなく、興味が湧いてきた。

｢ん、わかった、行くわ｣



こんな軽い気持ちで来てみたお好み焼き屋さん。



...重い気持ちで来るお好み焼き屋さんなんて

ないはずやねんけど。


目が可愛いのに

ちょっとゴリラを連想させるイケメンさんが

注文を取ってくれて、

ふわふわパーマと口元のほくろが印象的なイケメンさんが

なにやら変なギャグ？をしながらお冷を持ってきてくれた。




｢本日こちらのテーブル担当します、安田です！

お願いしますぅ｣



妙に間延びした声で

私たちのテーブルのそばに立ったお兄さん。


おぉ、たしかにイケメン...


甘い笑顔で背は低いっぽいけど

たぼっとした半袖Tシャツから覗く首筋はゴツゴツしてるし、

腕は筋肉がついてて太め。


ギャップ萌えってやつか。


...ってなに冷静に分析してんだ私。



｢とりあえずお肉から焼いていきますねぇ｣


って声とともに混ぜられた生地がジュゥと音を立てて。


はやくも、美味しそうな匂いが漂ってきた。

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