・・・ ページ22
Aの手をぎゅぅと握りしめて、
いまにも零れそうな流星群の下を駆け抜ける。
お互いつまづきそうになりながら。
たぶん、もうすぐ、終わる。
地球の滅亡なんていう大きなことも
案外呆気ないなぁなんて、思った。
「っは、章大、ちょっと...」
「ぁ、ごめんな、...」
お互い息ぜぇぜぇさして。
連れ出したのは僕やけど、走ってるうちにAも
僕の考えがわかったのかついてきてくれとった。
「...章大」
息を整えたAが、僕の名前を呼ぶ。
地球が終わったらこれも、聞けなくなってまうんやろか。
「ん?」
「...さいごまで、一緒にいてね」
微笑んで首を傾げるA。
なんや儚くて、ぎゅぅぅって。
Aが息できなくなってまうくらいに強く。
僕より先にいなくならんようにって。
抱きしめた。
「大丈夫。
ずっと、一緒やで」
Aの頬を撫でて、
長い、長い、キスをした。
「ん...しょ、た...」
「A...」
上を見ると、もう流星群は溢れ出しとる。
きっと、これがさいご。
星たちを無視するようにお互いに唇を重ねた。
・
・
・
・
・
「...っちゅう夢を見てん」
寝坊した。
「...章大、暇なの?」
...いつからこんな暴言吐くようになってん。
「ちゃうわ、笑」
「ならいいけど笑」
「A、おはようのちゅーして」
「やー、お寝坊さんにはしてあげませーん」
ぷいっと横を向いて寝室を出ていこうとするから、
腕をぐいって引いて
美味しそうなクチビルに食いついたった。
「っん...章大...!」
離したると真っ赤な顔してこっちを見てくる。
「ずーっと、一緒にいよな」
って言うて頭撫でると拗ねて出てってもうた笑
...あの夢、正夢になったら嫌やなぁ...
Fin.
94人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
そるとさうんど(プロフ) - すごく面白かったです!更新楽しみにしてます。 (2016年1月21日 19時) (レス) id: 18cc1db912 (このIDを非表示/違反報告)
淋兎(プロフ) - ∞キュウソまぐまぐ∞さん» コメントありがとうございます!わわわ、嬉しいです...!キュウソネコカミさんの曲はまだ聴いたことがないのですが、今度聴いてみたいと思います! (2015年10月13日 23時) (レス) id: c6cb689a5e (このIDを非表示/違反報告)
∞キュウソまぐまぐ∞ - 私もエイトとKANA-BOONとキュウソがすきです! (2015年10月13日 23時) (レス) id: 0fe8342ca0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:琳兎 | 作成日時:2015年9月9日 18時