短 篇 詰 め 。【∞】

・・ ページ21

僕らは

“星が綺麗に”見えるところに住んでる。


地球滅亡がいまからかもしれへんのに

何言うてんねんって話やけど。


この星たちが地球の滅亡を意味していても

やっぱり星は星で。


純粋に、綺麗やなって。

そう思った。

それは、Aも同じで。


Aと相談して決めた、この家。

もう前の家主は星がよく見えるからって手放したらしい。

不動産屋さんのひとには変な目で見られたけど、

ここは眺めがすごくいい。


夜になると、

空には今にも溢れだしそうな星がたくさん。


ここで、さいごまで一緒に居ような

っていうやくそくをした。








住み始めてもう半年になる。

この家も生活感がだいぶ出てる。




星たちは、もう限界まで膨張してるみたい。




｢...章大、私ね、遠くに行きたい。｣


Aが突然、そんなことを言った。


｢...なしたん、｣


｢わかんない...でも、遠くに行きたいの。

...ふたりっきりに、なりたい｣


さすがに、もう怖いんやろうか。

背後まで死が迫って来とる恐怖と、闘っとるんやろか。


いつも笑顔なAとは程遠い、悲しい顔やった。


どうしても放っておけんくて。



Aにコート着せて、自分も着て、


Aを連れて外に出て走り出した。

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