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それから半年くらい経っても、
俺とAの “入り浸り入り浸られる”関係は相変わらず。
ある日、Aは
「引っ越すことになった」
と言った。
聞いてみると、Aの家は転勤族やったって。
Aの顔に、寂しさとかはなかった。
俺は、寂しくて。
「...寂しく、ないん？」
「...慣れてるから」
Aは表情をピクリとも動かさんで、そう言って。
少し、腹が立った。
お前が引っ越してきてからの時間は 大切にやったって。
お前の部屋に入り浸って
お前と共有する時間を大事にしたいって。
そう思っとんのは、俺だけやったんか、って。
その日は、少し早めに自分の部屋に戻った。
歌詞やら楽譜やらで荒れとる部屋は、俺みたいやった。
お互い気まずくても
会うのなんて俺がAの部屋に行くとき
くらいやから、3日間は会わずに。
4日後、Aが初めて、俺の部屋に来た。
こいつも、窓伝いで。
「...危ないやろ」
「いいじゃない。すばるは、いっつもやってた」
久しぶりに、Aに名前を呼ばれた。
らしくもなく、心臓が鈍く甘く痛んだ。
Aは、どっか他所に行くみたいな、
綺麗な服を着とった。
あぁ、もう他所に行くんか。
「...どうしたん」
3日間口を利いとらんでもこんなに喋れる俺は、
やっぱりこいつが好きで。
「もうすぐ、行くから」
...もう、終わりか。
最後に、少し足掻こうか。
「なぁ、A」
「なに？」
「逃げよか、一緒に」
そう言うと、Aはふふ、と笑って、頷いた。
Aの手を取って、急いで家を出る。
とにかく、走った。
2人で、走れるとこまで。
ハアハア、て2人して息切らして。
やけど、めいっぱい背伸びして
大人のフリをしていた俺らは所詮、
大人のフリをしたただの子供で。
すぐにAは連れ戻されて。
俺は、ヒステリックに怒鳴り散らしてくる
Aのオトンをずっと見とった。
自分がどれだけ手を伸ばしても届かない
大人という人間が、酷く嫌いだった。
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そるとさうんど(プロフ) - すごく面白かったです！更新楽しみにしてます。 (2016年1月21日 19時) (
レス) id: 18cc1db912 (このIDを非表示/違反報告)
淋兎(プロフ) - ∞キュウソまぐまぐ∞さん» コメントありがとうございます！わわわ、嬉しいです...！キュウソネコカミさんの曲はまだ聴いたことがないのですが、今度聴いてみたいと思います！ (2015年10月13日 23時) (レス) id: c6cb689a5e (このIDを非表示/違反報告)
∞キュウソまぐまぐ∞ - 私もエイトとKANA-BOONとキュウソがすきです！ (2015年10月13日 23時) (レス) id: 0fe8342ca0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琳兎 | 作成日時：2015年9月9日 18時
