Bad wedding 宮野 ページ6
「よ、宮野
来てやったぜ」
「別に誰も来てなんていってないわよ」
「ンなつれねぇこと言うなって」
そう言ってけらけらと笑う俺は相当滑稽だろう
もう数時間前に誓いのキスをしちまったお姫さんにまだ未練が残ってるなんて
「そのドレス」
「え?」
「似合ってンじゃん」
「あ、……ありがと」
そう少し照れ臭そうに俯いた宮野
いつも仕事場で白衣を翻して研究所を駆け回っている姿とは大違いだ
「お前はやっぱ白が似合うな」
「……それ誉めてる?」
「そうに決まってんだろ
貶してどうすんだよ」
「……それもそうね」
口元に手をあて少し悩むそぶりをして答えた宮野の指には
光が反射してキラリと光るシルバーの指輪がはまっている
「宮野、髪のここに花びらついてる」
「嘘、やだ……
ごめん、とってもらえる?」
はいはい、と返事をして宮野の頭に手を伸ばしかけてあと数センチのところで
止まった
こいつはもう俺の手には届かない
いや、もう届いてはいけないのだから
宮野に触れないようにそっと花びらをつまんだ
「取れた?」
「あぁ」
「そう、
ありがとう」
そう少し表情を崩し礼を言った宮野は旦那に呼ばれて去っていく
その姿がこんなにも愛しいと思うのに
俺はもう触れることすら許されないのだ
.
夏蛍さんからのリクエスト
ありがとうございました
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