【短編集】結婚、おめでとうございます【名探偵コナン】 (ページ13)

今日:11 hit、昨日:9 hit、合計:121,233 hit

Happy wedding 安室ページ13

「いつか必ず迎えに来るから

待っていて下さい」

そう言ったあなたは私の前から姿を消した

知ってるよ
それが演技だと言うこと

知ってるよ
私に近づくために偽りの恋人を演じていること

知ってるよ

もう私に用がないこと

その言葉を信じ続けていたけれどもう疲れたの
これは私が悪いですか？

「結婚おめでとう」

「ありがとう」

今日は私の姉の結婚式

式場はあの日あなたと別れたこの教会
少し期待していたんだけれどやっぱりあなたは来てくれない

招待状、出してもらったんだよ
届いてないのかな

ごめんねお姉ちゃん
私の我が儘でこの教会にしてもらったのに

「……もう、帰ろう」

式の最後のブーケトス
そのためにみんながそとに出るのに流されそとに出て独り言
こんな華やかな場所に今の私は似合わない

「では、花嫁のブーケトスです！
皆様中央にお集まりください！」

そんな声とは反対に外へ外へと歩き出す

その時何かが起こったようで歓声のようなどよめきが広がる
それでも私には関係ないとまた一歩踏み出した

その瞬間

「遅くなってしまいました」

背後から聞こえた優しい声色

あり得ない
そう自分に言い聞かせる
これは体の良い幻聴
だって、私にはもう用がないんでしょう？

「花嫁からのブーケトスでブーケを受け取った人は
招待客のなかで次に結婚する、でしたっけ？」

その優しい声にもう我慢ができなくて
とうとう覚悟を決めて振り向いた

「迎えに来ました」

「僕と結婚してくれませんか」

黒いスーツに身を包みあの日となにも変わらない姿で
私にブーケを差し出す彼は

「はい……っ」

私の待ち望んでいた人

.
アクナン☆さんからのリクエスト

ありがとうございました
(また書き直します！)