Bad wedding 赤井 ページ11
行かないで
晴天の空の下
私のそんな叫びはけして喉から出ることはなかった
「遅れてごめんなさい」
「いや、いい
来ないかと思った」
「……結婚、するのね」
「あぁ」
あの馬鹿みたいに晴れたあの日から1年
私の家に届いた招待状
あのとき破り捨てればよかったなんて
今となってはもう後の祭り
「来ないと思っていた」
「なら私の勝ちね
来たんだもの」
「そうだな」
少しちぐはぐな会話
それが私は好きだった
「髪、どうしたんだ?」
「ちょっと切ってみたの」
「そうか……
似合うな」
ちょっとした変化にも気づいてくれるところが好きだった
もう一年も前だと言うのに
「ここに長居していても良いの?」
「別に構わない
と、言いたいがもうそらそろ時間だな」
わざとらしく時計を確認する彼
しなくてもわかるだろうに
「ねぇ
あの日さ……」
私達は別れて正解だったんだよね?
独り言のようなその言葉は
彼を少し動揺させてしまったらしい
「君がそう思うのなら、そうだったんじゃないか?」
「なら、」
あなたは?
そんな言葉はやっぱり喉につっかえて
ほら、いつも
肝心なところで勇気がでないの
「私は、嫌だったよ」
でも今日は少しだけ
臆病をやめてみたい、なんて
.
おもっちーさんからのリクエスト
ありがとうございました
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