甘い彼氏【国見英】

▽サイン ページ25

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国見ちゃんには、押してはいけないスイッチがある。
私は知らないうちにそれを押してしまう事があるのだ。



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『国見ちゃん重い』


今日は国見ちゃんの家に遊びに来ている。
部屋に入るや否や、私の体にのしかかってきた。

もちろん、現役男子高校生の体を支えられず床に倒れてしまう。それでも国見ちゃんは離れてくれない。


『どーした？』

｢気分です｣


......予想通りの回答に思わず笑ってしまう。


｢なに笑ってるんですか｣

『いや、国見ちゃんがかわいくてね』


いつも通りなら かわいい と言っても、特に反応しないか、逆に私にかわいいと言ってくる。なのに今日はムスッとしている。

......やらかした？



｢それ、今言います？｣

『...はい？』


｢考えてみてくださいよ、自分のおかれてる状況｣



私の今の状況......、床ドン状態で国見ちゃんに抱きしめられてる。隙間がないくらいに。

自覚してしまうと顔が赤くなる。恥ずかしくて離れようとしても、きつく抱きしめてくる。


｢そんなジタバタしても離しませんよ｣


国見ちゃんの目が獲物を捉えたような目に変わる。


＿＿やばい


本能でそう思っても、力の差がある為どうにもならない。



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額、瞼、頬、耳、首筋にキスの雨が降ってくる。



『んっ......やぁ...』

｢もうギブですか？｣




＿＿＿＿＿まだまだこれからですよ







この一言が、甘い時間の始まりである。

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